【AWS Summit Tokyo 2018】牛と人の関係を次のステージへ!牧場管理 U-motion と基盤技術 レポート

AWS

2018.6.6

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AWS Summit Tokyo 2018の6月1日(金)に行われた「【デザミス様ご登壇事例】牛と人の関係を次のステージへ!牧場管理 U-motion と基盤技術」のレポートです。

セッション紹介と登壇者

小佐野 剛
デザミス株式会社(desamis Co.,Ltd.) R&D Div. CTO
U-motion は、牧場内に設置されたセンサーにより蓄積されたデータから、牛の状態を自動的に判断することができる次世代型の牧場管理システムです。 U-motion の機能概要と、それを構成する技術要素がどのような AWS 基盤によって支えられているかご説明します。
引用元:AWS Summit Tokyo 2018 セッション一覧

本日お伝えしたいこと

デザミス株式会社さんのU-motionはロスコストや人材不足に悩む牧場をサポートするサービスです。蓄積され続ける牛の行動データや、牛舎の環境データをAWSの各サービスの特性を活かしながら保管、分析しています。

アジェンダ

  • 会社概要
  • U-motionの紹介
  • システム概要
  • IoCの課題と対応
    ※IoC=Internet of Cattle(牛)

会社概要

  • デザミス株式会社
    • 農業IoTクラウド事業/農業コンサルティング事業

U-motionの紹介

現状

  • 牛飼育数は全世界で14億頭/日本では380万頭
  • 日本の牛は海外への輸出は増えてるのに、案外少ないという現状

課題

  • ロスコスト問題…数千億円に上る
    • ロスコストの原因
    • 事故(肉牛で転んで窒息死)
    • 病気(乳房炎・帝廟・繁殖障害など)
    • 繁殖遅延(発情の兆候がわかりづらいとか)
    • 繁殖障害(講師が生まれないと乳が出ない、酪農では特に重要)

 

  • 人的リソース不足問題=高齢化、後継者不足、就農者不足
    • 大規模化の傾向
    • 1戸あたりの飼育頭数は40%増
    • 人が少ないのに、仕事が増える=負のスパイラル

U-moiomでできること

  • 牧場内のデータから牛の状態を把握・管理
    • センサー①:牛(首に装着、活動量計測)
    • センサー②:牛舎(室温、湿度、牛の位置を計測)
    • =センサーデータはクラウドに蓄積

 

  • 牧場管理業務
    • 日々の飼育記録=繁殖業務・治療処置を入力
    • データ分析=採食・飲水、胴体、反芻、動態、起立、横臥、静止
    • どんな行動をしていたか?、体調が悪くないか?などを判断

 

  • 疾病牛の発見
    • 体調を崩した牛をお知らせ=治療など早い対応ができる
    • 人が発見するより1日早いくらいの精度がある
    • 人の目だけでは見過ごされがちな異常も発見しやすい
    • 菜食量が落ちている?寝ている?=足が痙攣して立てなくなってた!のようなケース

 

  • 繁殖対象牛の検知
    • 人工授精のタイミングを逃さない、牛の行動データから判断するので精度が高い

まとめると

  • 熟練者の観察眼をサポート
    • データによる可視化でさらに効率化、高精度化が可能=改善効率化が可能
    • 牛が健康になって、人も楽になることが目標

システム概要

IoCの課題

  • 蓄積され続ける膨大なデータをどう保管するか(DBに置くには大きすぎる)
  • スケーラビリティの問題(多数のハードウェアからの継続的なトラフィックが増え続ける)
  • メンテナンスの問題(遠方にあるハードウェアの管理にはリモートでの作業が必要。グローバルIPをふれるほど潤沢じゃない)
  • 複数レイヤーで広い開発をしないといけない(限られたリソースで効率的なアプリ開発)

 

解決策

  • データの保管・スケーラビリティ
    • 牛の系統:センサー→ゲートウェイ→AWS(ELB)
    • …データ送信頻度が高く、データ量は多い
    • 牛舎の系統:センサー→ゲートウェイ→AWS(AWS IoT、Amazon S3)
    • …データ送信頻度が低く、データ量は少ない
  • リモートでメンテナンス
    • SSH→EC2→NWルーター
  • アプリ開発を効率的に
    • フロントエンド(Salesforce:顧客情報、ログイン情報)
    • バックエンド(HEROKU:フロントAPIーRDS)
    • メンテナンスコストの削減
    • アプリの付加価値をつくる業務に注力できる

Salesforce×AWSは

  • インフラ周りに手間かからない
  • ログイン周り、顧客情報機能の開発が不要
  • 大量のデータ蓄積と分析はAWS上で行う
  • アプリに注力し、スピーディーな開発が可能

まとめ

人材確保が難しい畜産業において、IoTで効率化や高精度化をサポートするサービスはおもしろいなと感じました。また、断続的に送信、蓄積される牛の行動データと牛舎の環境データをそれぞれに合ったAWSサービスをうまく活用して、保管や処理、分析をしていると思いました。

yykk

スリランカカレーとパッタイが好きです。マーケティングは奥が深くて難しくて楽しいです。

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