【やってみた】Amazon ECS(Fargate)を使ってみた
はじめに
こんにちは、yasujunです。
Amazon ECSというコンテナ管理サービスを使ってWebコンテナのデプロイを試してみました。また、ECSの起動オプションであるEC2とECS(Fargate)について解説します。さらには、ECS(Fargate)とサーバー管理不要とコンテナを使ったデプロイ可能な共通点を持つLambdaの説明と、その使い分けについて解説します。
ECS(EC2)とは?
EC2インスタンスを用いたDockerコンテナでデプロイする仕組みです。
EC2で起動するため、OSのメンテナンスは自身で受け持つ必要がありますが、EC2に接続できるのとコンテナにbashが使えるという利点があります。
また、OSのメンテナンス以外にもDockerイメージ内のライブラリの脆弱性はこちら側で管理するため、気を付ける必要があります。
ECS(Fargate)とは?
AWSが管理するホストマシン上にコンテナを実行できる環境です。
ホストマシンはAWSで管理するためOSのメンテナンスはAWS側で行うため、利用者が意識する点はアプリケーションとコンテナのスケールのみという利点があります。
ただ、ECS(EC2)と同様にDockerイメージ内のライブラリの脆弱性はこちら側で管理するため、気を付ける必要があります。
サーバーレスでコンテナをデプロイできるサービスです。
Lambdaとは?
Lambdaはサーバーをプロビジョニングしたり管理しなくてもプログラミングコードを実行できるコンピューティングサービスです。
こちらもECS(Fargate)と同様にホストマシンのメンテナンスはAWSで実施するため、利用者が意識する点はプログラミングコードのみという利点があります。
いわゆるFaaS(Function as a Service)というやつです。
ECS(Fargate)とLambdaの使いわけ
ECS(Fargate)の使用が向いているユースケース
・ARMコアやGPUを使いたい場合
・メモリが10GB以上必要な場合
・ステートフル処理の場合
・開発言語をLambdaで縛られたくないとき
Lambdaの使用が向いているユースケース
・実行時間が15分未満で、10GB以下のメモリで収まる処理
・CPU処理のみを必要とする場合
・ステートレス処理の場合
実際に作ってみる
事前に用意しておくもの
・インターネットに出れるパブリックサブネットを持ったVPCの作成
・ECS(Fargate)で使うWebコンテナ用の80番ポートが空いたセキュリティグループの作成
今回作成する構成
ECS(Fargate)を使ってWebコンテナをデプロイするまでの流れ
- ECR用のIAMユーザー作成
- 手元のCLI環境にIAMユーザーを登録する
- ECRからプライベートリポジトリを作成
- 作成したプライベートリポジトリへ手元のDockerイメージをプッシュする
- ECSの画面からクラスターを作成
- タスク定義を作成
- サービスを作成
- Webページを確認
1. ECR用のIAMユーザー作成
IAMの画面から「ユーザー」を選択し、「ユーザーを追加」を選択する。
ユーザーを追加の画面からユーザー名を入力し、「アクセスキー、プログラムによるアクセス」にチェックを入れる。
アクセス許可の設定から「既存のポリシーを直接アタッチ」を選択し、ポリシーのフィルターに、「AmazonEC2ContainerRegistryFullAccess」を入力し検索する。
フィルタされた「AmazonEC2ContainerRegistryFullAccess」にチェックを入れて、「次のステップ:タグ」を選択する。
タグの追加(オプション)はお好みでタグをつけて、「次のステップ:確認」を選択する(タグはつけなくても次に進める)。
設定情報を確認し、「ユーザーの作成」を選択する。
作成の際に出てくる「アクセスキーID」と「シークレットアクセスキー」は必ず控えておく。
2. 手元のCLI環境にIAMユーザーを登録する。
手元にCLI環境を用意し、awsコマンドが使えるようにする。
(当記事ではLinuxを使ったセットアップを実施する)
当環境外のCLIを使用される際には下記を参照してインストールする。
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/cli/latest/userguide/getting-started-install.html
下記コマンドを実行し、AWSCLIが利用できるようにする。
$ curl "https://awscli.amazonaws.com/awscli-exe-linux-x86_64.zip" -o "awscliv2.zip" $ unzip -u awscliv2.zip $ sudo ./aws/install $ ./aws/install -i /usr/local/aws-cli -b /usr/local/bin $ aws --version $ aws configure AWS Access Key ID [None]:[アクセスキーを入力] AWS Secret Access Key [None]:[シークレットキーを入力]
3. ECRからプライベートリポジトリを作成する
ECRの画面から「リポジトリを作成」を選択する。
一般設定の可視性設定から「プライベート」を選択し「リポジトリ名」を入力する。
「リポジトリを作成」を選択する。
4. 作成したプライベートリポジトリへ手元のDockerイメージをプッシュする。
作成したプライベートリポジトリを選択し、「プッシュコマンドの表示」を選択する。
ポップアップされたコマンド通りに手元のCLI環境からコマンドを実行する。
$ aws ecr get-login-password --region ap-northeast-1 | docker login --username AWS --password-stdin 123456789012.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com $ docker build -t yasujun . $ docker tag yasujun:latest 123456789012.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/yasujun:latest $ docker push 123456789012.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/yasujun:latest
リポジトリにイメージがプッシュされたことを確認する。
リポジトリ内のイメージのURIをコピーする。
5. ECSの画面からクラスターを作成
ECSのクラスターの画面から「クラスターの作成」を選択。
クラスターテンプレートの選択から「ネットワーキングのみ」を選択し、「次のステップ」を選択。
クラスターの設定から「クラスター名」を入力し「作成」を選択。
6. タスク定義を作成
ECSのタスク定義の画面から「新しいタスク定義の作成」を選択。
起動タイプの互換性の選択から「Fargate」を選択し、「次のステップ」を選択。
タスクとコンテナの定義の設定から「タスク定義名」を入力。
※タスクロールは他のAWSと連携する際に設定する(今回は連携させないためなしでOK)
オペレーティングシステムファミリーを「Linux」に選択。
タスク実行ロールは「新しいロールの作成」を選択。
※タスク実行ロールはECSコンテナエージェントが利用するIAMロール(ECRからイメージをプルするときに使う)
「タスクサイズ」はお好みで調整し「コンテナの追加」を選択。
「コンテナ名」を入力し、「イメージ」に手順4でコピーしたイメージのURIを張り付ける。
「ポートマップ」を80と入力し「追加」を選択。
「作成」を選択する。
7. サービスを作成
クラスターの画面から、サービスを「作成」を選択。
サービスの作成の「起動タイプ」をFARGATEに選択。
オペレーティングシステムファミリーをLinuxに選択。
「サービス名」を入力し「タスクの数」は1に設定。
「最小ヘルス率」を100にし「最大率」を200にして「次のステップ」を選択。
「クラスターVPC」は事前に作成したパブリックサブネットを保有するVPCに選択し、「サブネット」はインターネットに出れるパブリックサブネットのものを選択。
「パブリックIPの自動割り当て」はEnableを選択。
今回はALBなしの構成のため、「次のステップ」を選択。
AutoScalingは「サービスの必要数を直接調整しない」を選択し、「次のステップ」を選択。
「サービスの作成」を選択する。
8. Webページを確認
無事にubuntu/apache2コンテナのデフォルトページが表示されました!
最後に
今回はECS(Fargate)を簡単な構成でWebコンテナをデプロイしてみました。
ALBやスケーリング等、冗長性を組んだ構成は次々回あたりに作成予定の、「【やってみた】Amazon ECS(EC2)を使ってみた」にて執筆しようかと思います。
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