[AWS Summit Onlineレポート]AWS コスト管理を再考する #AWSSummit

AWS

2020.9.11

Topics

こんにちは。マーケティングチームの中川です。
9月8日から30日までの期間、オンラインで開催されているAWS Summit Onlineで「AWS コスト管理を再考する」というセッションを聞きましたので、レポートします。

セッション概要

タイトル

AWS-22:AWS コスト管理を再考する

スピーカー

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
技術統括本部 エンタープライズソリューション部
ソリューションアーキテクト
浅野 佑貴さん

概要

AWS が提供するサービス・機能の 90% は、お客様の意見をもとに開発されており、コスト管理に関連するも随時アップデートされいます。コストを管理するという観点では、AWS 上で利用しているリソースで発生しているコストを適正に保つ事に加え、発生したコストをどの様にチーム、PRJ 単位に配賦していくのかを考える必要があります。本セッションでは、コスト管理に関連するアップデートを振り返りながら、企業利用のユースケースにおいてご活用頂ける機能や使い方をご紹介していきます。
出典:AWS-22:AWS コスト管理を再考する

レポート

想定の聴講者

  • プロジェクト単位で本来かかっている費用を配賦したい方
  • 費用配賦の仕組みは整備しているがアップデートに追いつけていない方
  • 最近コスト管理担当にアサインされたが整備した仕組みがよくわからない方

セッション内容

  • コスト管理を実現するために活用できるサービスや考え方
  • 機能の詳細や操作手順ではなく、考え方やデザイン
  • コスト管理にフォーカスしており、マルチアカウント構成の設計詳細はセッション内では取り扱わない

組織利用におけるコスト管理

AWSアカウントには、以下のような特性がある。

  • セキュリティ境界:各AWSアカウントでIAMなどの設定を行いセキュリティを守っていく
  • リソースの隔離:リソースはアカウントに紐付いている
  • 課金の分離:AWSアカウントで発生した課金は、AWSアカウントで支払いを行う

このような特性があるため、AWSアカウントを分ける、分けたほうが扱いやすいということもある。

組織利用におけるAWSアカウントの管理スキームとして、Consolidated billing for AWS Organizationsを利用した一括請求により会社全体の料金支払いを一元化している人が多い。
⇒マスターアカウントを持って、その配下にAWSアカウントを作成し、マスターアカウント配下のすべてのAWS料金の合計で支払をする方法。

Consolidated billingのメリット

1.取りまとめたアカウント間での割引が共有できるようになる
⇒Reserved Instance(以下、RI)やSavings Plansなどを共有したり、組織全体で使用料を合算しボリュームディスカウントが適用できる。

2.複数AWSアカウントにわたってのコスト状況をトラックできる
⇒マスターアカウント側で、配下のアカウントの利用状況やRI・Savings Plansの活用状況を確認できる。

Consolidated Billing利用時に必要になること

AWSの課金ログを取得することができるが、この課金ログには複数のAWSアカウントが含まれている。そのためお客様によっては社内の組織形態によって分配をしていく必要がある。
配賦ルールを実現できるようにすると、コスト管理がしやすくなる。

コスト管理者の悩みの背景

1.各AWSアカウントに対しての配賦ルールを定めている
⇒AWSへの支払を最適化することと、組織内での費用負担の考え方が異なる場合がある。

2.配賦ルールが必要となるシチュエーション例
⇒プロジェクト予算で管理しているので、割引共有などによって意図せず費用が変わってしまうと困る など

コスト管理に活用できるサービスアップデート

AWSのコスト管理ツールとしては、以下のようなサービスがある。

コスト関連サービスの主要アップデート

ロードマップの90%はお客様の要望から行っている。

配賦ルールを実現するために有用なサービス

1.AWS Cost Explorer
⇒AWSリソースの使用量・使用料金を可視化・確認分析できるツール。過去13か月分のコストをグラフで見ることが可能。フィルターやグルーピングでカスタマイズも可。

2.AWS Cost and Usage Reports(CUR)
⇒AWSリソースの使用量や料金を確認できるテキストレポート。Amazon S3のバケットにレポートファイルが配信される。レポートファイルは1日3回まで更新される。
活用例:RIの割引適用を受けたのはどのアカウントか?という情報をチェックしたりもできる

TIPS:Legacy reports

コストや使用状況を確認できるレポートは現状2つある

  • Detailed Billing Report (DBR) / Detailed Billing Report with Resource Tags (DBR-RT)
  • AWS Cost and Usage Reports(CUR)

DBRは廃止が予定されているため、利用している方はCURへ移行を推奨している。
⇒自分たちがどのレポートを使っているかは改めて確認を。

配賦ルールを考える場合に抑えておきたい3つのポイント

ポイント1:Recource Tag/Cost Allocation Tagの活用

AWSアカウントの利用料をタグでグループ化することが可能。

1.Resource Tag
⇒AWSリソースごとに付与するラベルデータ。Tagが付与できるリソースは対象サービスによって異なるので注意。

2.Cost Allocation Tag
⇒cost allocaiton report および CURに指定した ResourceTagを出力することができる。ユーザ定義TagとAWS generated tags を指定することが可能。うまく設定することでTagを使ってコストの分類をすることができる。

※Recource Tag/Cost Allocation Tagの活用の考慮点
1.配賦ルールをTagを利用して実現する場合は、一貫したTagを付与する運用の仕組みを整備する。
⇒手動でTagを付与する運用ルールはミスの元。正確なTag運用を行うためにAWS Organizations の「Tag Policy」が利用可能できる。

2.Tagを付与できないリソースに対する配賦ルールを定めておく。
⇒Tagをサポートしていない、Tagが未適用のリソースがあると、未分類コストとなってしまう場合がある。

ポイント2:AWS Cost Categoriesを活用したグルーピングポイント2:AWS Cost Categoriesを活用したグルーピング

AWSのコストと使用量をユーザが設定したカテゴリにルールベースで分類することが可能。分類したカテゴリはCostEcplorerやCURでも利用可能。

ポイント3:Consolidated Billingにおける割引共有の理解

RIやSavings Plansの割引が共有される優先順位は、以下になる。
1.RIやSavings Plansを購入したAWSアカウント
2.消費できない場合、Organizationsの他のAWSアカウント

無料利用枠やRI割引がある場合、適応される優先順位は以下の通り。
1.無料利用枠
2.RIの割引
3.Savings Plansの割引

⇒AWS CreditおよびRI・Savings Plansは、共有の無効化を設定することができる。Organizations内で割引を共有することにより、配賦ルールが複雑になる場合は、無効化することも選択肢の1つ。

まとめ・感想

AWS使用料を配賦ルールに従い分配する際に活用できるサービスや考え方などをわかりやすく解説いただきました。
配賦ルールは複雑化すればするほど管理が大変になるので、バランスを考えた配賦ルールの検討が必要かと思います。
現在AWSのコスト管理担当の方には、参考になる内容ではないかと思います。

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nakagawa

マーケティングチーム所属のマーケター兼ディレクターです。AWS活用支援サービスである「C-Chorus」を中心にWebサイトの企画・運営を担当しています。趣味は読書とゴルフ(ベスト98)です。

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