AWS Well-Architected フレームワークの受け止め方
2022.3.2
こんにちは、クラウドリードチームのMr.oldtypeです。
今回はAWS Well-Architected フレームワーク(以下W-A)の受け止め方について話していきます。
受け止め方 とは
ここでの受け止め方とは、「W-Aを実際の業務でどう取り入れていけばいいか?」ということだとご理解ください。
実際、「W-Aのベストプラクティスをやった方がいいのは十分理解しているが、実際どうすれば良いのか分からない」というご相談は非常に多いです。
そのような方々が「うちでもはじめてみよっかな」と思っていただけるきっかけになると嬉しいです。
W-Aとは
「システム設計・運用の”大局的な”考え方とベストプラクティス集」です。
AWS、我々APNパートナー、そしてお客様の長年の経験から生まれた非常に価値の高い代物です。
詳しくはAWS公式ページをご覧ください。
AWSドキュメント – AWS Well-Architected フレームワーク
AWS Well-Architected フレームワーク ホワイトペーパー
※本記事では、個々の柱についての解説などは行いません。こちらは別途執筆予定です。
本題
W-Aの活用について様々な観点があると思いますが、私がW-Aレビューを通じてお客様と会話する中で「このように受け止めてみませんか?」とご案内しているものを紹介します。
まず現状を知る
W-Aを活用する上で一番大事なことです。
ベストプラクティスを実践する前には必ず、現状がそれとどれくらい乖離しているのかを知ることが重要です。
普段なかなか、自社のサービスやエンドユーザへ提供しているサービスを深く掘り下げて振り返る機会はなかなかないと思います。
W-Aを理解して受け止めることをきっかけに、まずは是非、ここからトライしてほしいと思います。
また、現状を知ると「おいあれが出来てないじゃないか」とか「なんでこんな風になってるんだ」とネガティブな反応をしがちですが、これは良くありません。
そういった感情は捨てて、冷静に今と見つめ合うことが、今後の”カイゼン”を進めてく上で非常に大切になります。
ですので「なるほど、今はこうなっているのか」と知ること。ここに意識を向けてみてください。
ベストプラクティスを学ぶ
もちろんこれも、W-Aを活用する上で欠かせません。
「今はこうなってるのは分かったけど、実際どうするのが一番ベストなの?」というのをAWSホワイトペーパーなどから学びます。
例えば、セキュリティの柱の中で保管時のデータをどのように保護していますか?という設問があります。
この場合「AWSはどういう保管の仕方が良いと言っているんだ」というのを保管中に暗号化を適用するとか人をデータから遠ざけるメカニズムを使用するといったベストプラクティスから学び、「そうかそうか、そうするのが一番ベストなんだな」と理解していただくことが大切です。
ベストプラクティスを取り入れるか検討する
ここまで来たら、ベストプラクティスはもうあなたのものになりました。
次はW-A活用する上で最も大事なこと、今度はそれを取り入れるかどうか検討することをします。
「え?ベストプラクティスなんだからやった方が良いに決まってるじゃないか」と思われるかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。
当然やるかやらないかで言ったらやった方が良いですが、ビジネス上の理由やアーキテクチャ上の制約で出来ない、もしくは技術的には可能だが多額の予算がかかるといったケースがあります。
そういった場合実は、敢えて実践を見送る方がワークロードにとってメリットであったりします。
一番大事なことは今それを実践するのか、敢えて見送るのか、チームで話し合うことです。
そうすることによって、真の意味でW-Aを取り入れて、活用することが出来るようになると考えています。
実践する
さて、ベストプラクティスを学び、チームで協議し、導入して改善しよう!となったら、それを実践します。
先ほどの保管時のデータをどのように保護していますか?という設問の例で言うと保管中に暗号化を適用するというベストプラクティスを実践するためにEBSデフォルト暗号化を設定したり、S3のサーバサイド暗号化を施したりします。
人をデータから遠ざけるメカニズムを使用するであれば、人が直接データベースを書き換えられたりしないようにします。
これで、AWSが掲げるベストプラクティスを実践し、W-Aをワークロードに取り入れることが出来ました。
まとめ
「W-Aのベストプラクティスをやった方がいいのは十分理解しているが、実際どうすれば良いのか分からない」という方々のために、私が普段どのようなことをお話しているか、をお話しました。
W-Aを全て理解して実践することは難しいですが、「まずはこの設問を元に、今がどうなってるか確認してみよう」というところから始めてみて、より有効にAWSを活用していただけると嬉しいです。
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