【AWS Summit Japan 2022】AWS 上で実装するライブ動画配信のアーキテクチャパターン〜 2022 年版 〜(AWS-31)
2022.5.27
はじめに
この記事は AWS Summit Japan 2022 5月26日(木) のセッション「 AWS-31:AWS 上で実装するライブ動画配信のアーキテクチャパターン〜 2022 年版 〜 」に参加した時のレポートになります!
セッション概要
タイトル
AWS 上で実装するライブ動画配信のアーキテクチャパターン〜 2022 年版 〜(AWS-31)
AWS メディアサービスには、 メディアワークロードのための機能セットが豊富に用意されており、 要件にあわせて各機能を組み合わせて使って頂けるような疎結合な設計思想となっています。 本セッションでは、 ライブ動画配信にスコープを当てて、 各社様事例、ユースケース毎のアーキテクチャパターン、具体的な配信基盤の設計方法、各メディアサービスの特徴や最新アップデート情報をご紹介いたします。
スピーカー
AWS 技術統括本部 インターネットメディアソリューション部 部長 シニアソリューションアーキテクト
廣瀬 太郎 氏
セッション内容
【本セッションの対象と注意点】
- 話すこと
- AWSのメディアサービスの各機能を利用したアーキテクチャパターン
- ユースケースに関連する機能アップデート情報
- 話さないこと
- 動画配信に関する一般的な知識
「AWS Black Belt Online Seminar – AWS Media Services で始めるライブ動画配信」をご覧ください。 - VOD ワークロードおよび AWS Elemental MediaConvert
「AWS Black Belt Online Seminar – AWS Elemental MediaConvert」をご覧ください。 - ロードマップに関する内容
最新の情報は AWS 公式ウェブサイト をご確認ください。
- 動画配信に関する一般的な知識
【アジェンダ】
- AWS Media Services とは ( サービス概要 )
- AWS Media Services x ライブ動画配信 ( ユースケース毎のアーキテクチャパターン )
- まとめ
【 AWS Media Services とは 】
以下のような 5つ のメディアワークロードに機能群を提供しています。
- コンテンツ制作
- メディアサプライチェーン & アーカイブ
- 放送
- D2C & ストリーミング
- データサイエンス & 分析
AWS Media Services の公式サービスページはこちらです。
セッション内容では、「放送」 と 「D2C&ストリーミング」の領域に焦点を当てていくようです。
サービスで扱えるメディアがこれだけあるんですね。
見たことがあるのは AWS Elemental MediaConvert くらいでした。
【 AWS Media Services 】
- Contribution
- AWS Elemental MediaConnect
- AWS Elemental Link
- AWS Elemental Live
- Transcoding
- AWS Elemental MediaConvert
- AWS Elemental MediaLive
- Amazon Interactive Video Service
- Origination
- AWS Elemental MediaPackage
- AWS Elemental MediaStore
- AWS Simple Storage Service
- Amazon Interactive Video Service
- Monetization & Personalization
- AWS Elemental MediaTrailor
- Amazon Interactive Video Service
- Distribution
- Amazon CloudFront
- Amazon Interactive Video Service
- Player
- 3rd Party
- Amazon Interactive Video Service
AWS Media Services という名前通り、ライブやオンデマンド放送に必要なもの全てが揃っているところが魅力的ですね。
S3 や CloudFront と組み合わせてコンテンツの配信フローを柔軟に設計できる点は、クラウドならではの良さだと思います。
【 AWS Media Services x ライブ動画配信 】
- 各サービスの役割がイメージできるユースケース
- 基礎的なユースケース
詳細は AWS Summit Online 2020 のセッション でご紹介となります- シンプルな HLS ライブ配信
- HLS & DASH マルチフォーマット配信
- ライブ配信をアーカイブ
- ライブ配信中に巻き戻し (DVR)
- FILE/LIVE をスケジュール配信
- 導入事例への利点
- マネージドサービスを用いることで「構築期間を 1/4 ( 3週間 )に短縮」
- CloudFormation で「複数チャンネルを数十分で構築」
- ライブ管理システムの開発により「ライブ配信数が最大 5 倍に拡大」
- 安価にアクセス急増対応できる「スケーラビリティを確保」
- 25の国・地域、 「1,000人規模に及ぶバーチャル会場を 14 日間で構築」
- 余剰リソースなく「高いコスト効率を達成」
- コンテンツの暗号化 / DRM
- AWS Elemental MediaLive の AES-128 Encryption 機能を使い、各セグメントファイルを暗号化する方式
- HLS配信時のシンプル構成を踏襲する
- AWS Elemental MediaLive に AES-128 key をインプットすることで、再生プレーヤーが復号するときに鍵を届けるフローを S3 と CloudFront で構築する。
- 再生プレーヤーから鍵をリクエストする際は CloudFront の 署名付きクッキー を使って認証させれば強固になる。
- HLS配信時のシンプル構成を踏襲する
- DRMシステムと連携する方式
- SPEKE と呼ばれるパッケージャーとDRMシステム間の通信標準を使う。
- DRM Key Provider に対し AWS Elemental MediaPackage が SPEKE のAPIを使って鍵のやり取りを行い、コンテンツを暗号化する
- 再生プレーヤーから DRM ライセンスリクエストを Key Provider に送信して承認が得られれば鍵を取得
- 鍵からセグメントファイルを復号してデコード後再生できるようにする
- SPEKE と呼ばれるパッケージャーとDRMシステム間の通信標準を使う。
- AWS Elemental MediaLive の AES-128 Encryption 機能を使い、各セグメントファイルを暗号化する方式
- サーバサイド広告挿⼊ (SSAI)
- 動画広告挿入を行うサービス AWS Elemental MediaTailor を活用
- ライブ配信を構成するオリジンの後に挟み込むことで、動画コンテンツの広告動画を挿入できる
- 動画広告挿入を行うサービス AWS Elemental MediaTailor を活用
- 同時配信数が増減 (UGC) + 超低遅延配信 (ULL)
- ライブストリーミングサービス Amazon Interactive Video Service (IVS) を活用
- iOS と Android 両プラットフォームをサポート
- ネットワーク環境を基にビットレートの自動調節
- ポートレート(縦置き)、ランドスケープ(横置き)に対応
- 入力に複数ソースを利用できるミキサー機能を搭載
- AWS Elemental MediaStore を活用
- MediaStore と CloudFront のセットで Chunked Transfer Encoding に対応したプレーヤーを揃えて実現させることも可能
- ライブストリーミングサービス Amazon Interactive Video Service (IVS) を活用
- ビデオミーティングのマス配信
- Amazon Chime SDK を活用
- 多対多のビデオミーティングにAWS Fargate上のキャプチャ用 Bot ユーザを参加させる
- Botユーザの ffmpeg により後段の配信レイヤへと転送される
- Amazon IVS や AWS Elemental MediaLive からオリジンを通して CloudFront に配信させる
- Amazon Chime SDK を活用
- ⾼い信頼性で映像伝送
- AWS Element Live を活用
- ソースを冗長化している AWS Elemental Live と AWS Elemental MediaConnect をメッシュ構造で紐づけてパイプラインを冗長化
- AWS Elemental MediaLive で冗長化されたパイプラインを集約し、AWS Elemental MediaPackage で CloudFront 等 CDN へと転送することで、同時アクセスからオリジンを保護
- CloudFront の場合、リアルタイムにコンテンツが生成されるライブ配信でも、同一リクエストを待機させてオリジンのレスポンスデータをキャッシュで返すため、キャッシュヒットする
- AWS Element Live を活用
- 移動先でも安定打ち上げ
- AWS Elemental Link Device Family を利用
- AWSアカウントの設定が適用されたハードウェアエンコーダ
- Ethernet挿入後、HDMI or SDI を挿すことで AWS Elemental MediaLive へ自動伝送される
- AWS Elemental Link Device Family を利用
- 基礎的なユースケース
実現したいことに沿って、多数のアーキテクチャが紹介されていて勉強になりました。
今回は残念ながら構成のスクリーンショット等お見せすることができないので、文章でご勘弁いただけたら幸いです。
まとめ
今回はAWSが提供するメディアサービスについて、実践的な高度な内容まで深堀できました。
メディアソリューションの中で、特に DRM や Amazon Chime SDK と AWS Fargate によるマス配信は、ユースケース多い構成としても有効活用できる他、勉強にもなる内容なので、是非抑えていきたいアーキテクチャとしてキャッチアップしていきましょう!
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