約65%のコスト削減!AWS開発環境を見直すコスト最適化で無駄を排除
はじめに
こんにちは、フクナガです。私は、弊社に入社してからソリューションアーキテクトとして、様々なお客様に対しコスト削減の提案を行ってきました。様々なコスト削減の方法が取れる中で、最もコスト削減につながるのが「リソースを止める/使わない」です。とても当たり前ですが、実践レベルで使わないリソースを止めたり、削除したりという対応ができていない場合も多いのではないでしょうか。今回の記事では、「開発環境」に着目し、どういったコスト削減策がとれるのか解説していきたいと思います。
開発環境の用途を明確にしよう
システム構築の際、開発・ステージング・本番のように環境を分けるのが一般的かと思います。この中でも「開発環境」の用途を明確にすることで、ランニングコストを削減することが可能になるケースが非常に多いです。
主に下記のポイントで確認することをおすすめします。
(1) 誰が使うの?
開発環境は主に新機能の開発やバグの改修、基盤観点の設定変更やリソース追加の検証に利用されます。
そのため、アクセス元や利用量、利用時間などをある程度絞り込むことが出来ます。利用者を把握することが出来れば「今使っているか」「今後どういう利用予定があるか」について常時把握することが出来ます。
使っていない時間は止める、というとても簡単な対策で大幅なコストカットを実現できます。
(2) どう使うの?
(1)でも述べたように開発環境は検証用途での利用が主です。ただ、WordPressのようなCMSを利用しているケースなど、大規模な改修やそれに伴う検証があまり発生しない場合もあります。その場合は、関係者で協議したうえで必要なタイミングでリソースを作成するなどの対策がとれます。
(3) いつ使うの?
ここが一番現実的かつコスト削減につながるポイントです。開発環境は一般ユーザーへ開放している環境ではありませんので、基本的に各社の営業時間中以外は利用されないケースが多いです。「止めては起動」を面倒と捉え、常時起動をしていることにより大幅にコストが上がっているケースも多くあります。
数字にするととても分かりやすくなります。
もし、平日8時間営業する会社があったとします。EC2はt3.medium、RDSはt3.mediumで常時起動した場合と8時間/日起動した場合とでどの程度価格差が生まれるでしょうか?
営業時間帯のみに起動するように設定するだけで、月80USD近く、約65%の節約につながります!!
記事執筆時点(2023/12/13)の為替だと1.2万円程度なので、多くのEC2・RDSインスタンスを利用している場合はかなりの節約ですよね。
開発環境におけるコスト削減の戦略
用途を明確に定義したところで、本題であるAWS開発環境コスト削減戦略について2つご紹介します。
1. リソースの稼働時間をコントロールしよう
AWSが提供する「Amazon EventBridge Scheduler」を利用することで、簡単に自動停止/起動を設定することが可能です。
参考:
Amazon EC2 の定期停止が Amazon EventBridge Scheduler によってより簡単になりました!
EC2やRDSの稼働時間を簡単にコントロールできますので、稼働時間を絞ることができるユースケースの場合はぜひご検討ください。
2. 環境全体を「使うときだけ」構築しよう
各リソースをCloudFormationやTerraformでコード化することにより、環境全体を削除・構築するスピードを手順化します。
開発作業の時期などを月単位でコントロール可能(3~6月は開発しないなど)の場合は、利用しないタイミングで対象環境を削除可能です。
稼働時間単位の請求になるALBやNAT Gatewayなどのリソースについて効果が大きい方法となります。
[東京リージョンの場合]
- ALB
0.0243 USD/時間 = 17.496 USD/月
日本円で約2500円程度 -
NAT Gateway
0.062 USD/時間 = 44.64 USD/月
日本円で6500円程度
※2023/12/13 時点の為替で計算しております
もちろん、EC2やRDSなどの料金が高いリソースについても従量課金ですので、使わない期間のランニングコストを0円にするというのはとてもよい対応だと思います。
まとめ
今回の記事では、開発環境に着目し、コスト削減の考え方と実践的な方法について解説していきました。この機会に、皆さんのご利用環境の用途を明確にし、大幅なコスト削減を目指してみてはいかがでしょうか?
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Follow @twitterインフラエンジニア歴5年のフクナガです。2024 Japan AWS Top Engineers / Google Cloud Partner Top Engineer 2025 に選出されました! 生成 AI 多めで発信していますが、CI/CDやIaCへの関心も高いです。休日はベースを弾いてます。
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