Amazon RDS で推奨事項を表示する機能がリリースされました
2023.12.28
はじめに
RDS の設定にまつわるベストプラクティスを推奨してくれる機能が強化されました。
Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) は、構成のベストプラクティス、しきい値ベースのプロアクティブなパフォーマンスの推奨事項、および機械学習 (ML) を利用したパフォーマンスの異常を統合する RDS 推奨事項の強化されたエクスペリエンスを提供するようになりました。
Amazon RDS が RDS レコメンデーションの強化されたエクスペリエンスを開始
このアップデートがかなり熱いので解説していきます。
本機能を利用することで、RDSのベストプラクティスに則った構成か簡単にチェックすることができます。
推奨事項の使い方
今回リリースされた推奨事項の使い方は主に以下の通りです。
- 一覧表示
- 詳細表示
- 適用
- 無効
それぞれについて詳細を一つずつ見ていきます。
推奨事項の一覧の表示
RDS のコンソール画面から「レコメンデーション」が追加されているので、選択することで推奨画面に飛べます。
この画面では、現在のリージョンで表示されている推奨事項の一覧を確認できます。

表示する列は以下の 10 個から選択可能です。
それぞれの詳細については後述します。
- 重大度(Severity):問題の影響レベル
- 重大度レベルは 、高、中、低、の三段階に分かれます。
- 検出(Detection):影響を受けるリソースの数と問題の簡単な説明
- このリンクを選択すると、推奨事項と分析の詳細が表示されます。
- 推奨事項(Recommendation):適用する推奨アクションの簡単な説明
- 詳細な説明はドキュメントから確認できます。
- 影響(Impact):推奨事項が適用されない場合に考えられる影響の簡単な説明
- 設定しないことへのリスクについての説明が表示されます。
- カテゴリ(Category):推奨事項のタイプ
- カテゴリは、Well-Architected フレームワークの柱と同じパフォーマンス効率、 セキュリティ、信頼性、コスト最適化、運用上の優秀性、および持続可能性です。
- ステータス(Status):推奨事項の現在のステータス
- 表示されるステータスは、All、 Active、Dismissed、Resolved、および Pending の 5 つです。
- 開始時刻(Start time):問題が開始された時刻
- 最終更新日(Last modified):重大度の変更により推奨事項がシステムによって最後に更新された時刻、または推奨事項に回答した時刻
- 終了時刻(End time):問題が終了した時刻
- 問題が続いている場合、時間は表示されません。
- リソース識別子(Resource identifier)1 つ以上のリソースの名前
- 複数存在する場合はまとめて表示されます。
なお、推奨事項は 3 つの方法でフィルタリングすることができます。
「Severity」と「Category」のフィルター機能

「Status」のフィルター機能

「Last modified」のフィルター機能

推奨事項の詳細表示
表示されている推奨事項の内容をより詳細な内容で確認することができます。
ただし、推奨事項によっては一覧で表示されている内容を絞ったものになるのであまり有益ではなさそうです。

Performance Insights のプロアクティブな推奨事項の表示の場合は、他にも色々と表示されるようです。

Performance Insights のプロアクティブな推奨事項の表示 – Amazon Relational Database Service
推奨事項の適用
推奨事項の一覧画面から有効化したい推奨事項を適用することができます。
右上に適用ボタンがあります。
設定内容によって今すぐ適用するかメンテナンスウィンドウで適用するかが選べます。

今回適用は行わないですが、ドキュメントに詳細な手順が記載されています。
Amazon RDS の推奨事項への対応 – Amazon Relational Database Service
推奨事項の無効
この推奨事項で適用しないものはステータスを無効にすることができます。
一つ推奨事項を選択して無効にしてみました。

成功すると画面上部に成功通知が表示されます。

ステータスを変更することで、無効になっているものだけ確認できます。

なお、ステータスを無効にしたものは再度有効化することもできます。

これで対象とする推奨事項だけに絞ることができます。
推奨事項の内容
推奨事項は現在で「30 件」ありますが、ドキュメントにベースとして紹介されているため実際はもっと存在する可能性があります。
中には DB エンジンごとの推奨事項も存在しています。
推奨事項の一覧
現在提供されている推奨事項の一覧です。
| No | タイプ |
|---|---|
| 1 | 磁気ボリュームが使用中です |
| 2 | リソースの自動バックアップがオフになっています |
| 3 | エンジンのマイナーバージョンアップグレードが必要です |
| 4 | 拡張モニタリングがオフになっています |
| 5 | ストレージ暗号化がオフになっています |
| 6 | Performance Insights がオフになっています |
| 7 | DB インスタンスのストレージの自動スケーリングがオフになっている |
| 8 | RDS リソースのメジャー バージョンの更新が必要です |
| 9 | RDS リソース インスタンス クラスの更新が必要です |
| 10 | ライセンス込みのサポート終了エンジン エディションを使用する RDS リソース |
| 11 | マルチ AZ デプロイメントを使用しない DB インスタンス |
| 12 | DB メモリパラメータがデフォルトから逸脱している |
| 13 | InnoDB_Change_Buffering パラメータに最適値未満の値が使用されている |
| 14 | クエリキャッシュパラメータがオンになっています |
| 15 | log_output パラメータはテーブルに設定されます |
| 16 | huge page を使用しないパラメータグループ |
| 17 | autovacuum パラメータがオフになっています |
| 18 | synchronous_commit パラメータがオフになっています |
| 19 | track_counts パラメータがオフになっています |
| 20 | enable_indexonlyscan パラメータがオフになっています |
| 21 | enable_indexscan パラメータがオフになっています |
| 22 | innodb_flush_log_at_trx パラメータがオフになっています |
| 23 | sync_binlog パラメータがオフになっています |
| 24 | innodb_stats_persistent パラメータがオフになっています |
| 25 | innodb_open_files パラメータが低い |
| 26 | max_user_connections パラメータが低い |
| 27 | リードレプリカは書き込み可能モードで開いています |
| 28 | innodb_default_row_format パラメータ設定は安全ではありません |
| 29 | general_logging パラメータがオンになっている |
| 30 | RDS インスタンスがシステム容量に対してプロビジョニング不足である |
以下ドキュメントには、上記情報以外にも、ダウンタイムの有無や詳細なドキュメントリンクがありますのでご覧ください。
Amazon RDS 推奨事項の表示 – Amazon Relational Database Service
参考資料
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Follow @twitter2021年新卒入社。インフラエンジニアです。RDBが三度の飯より好きです。 主にデータベースやAWSのサーバレスについて書く予定です。あと寒いのは苦手です。
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