Google Cloud の組織ポリシーで有効にするべき設定一選!
2024.9.13
はじめに
こんにちは、Shunです!
Google Cloud の組織ポリシーを活用して、組織の統制を図ろうとしたけど、ポリシーの数が多すぎてわからない!といったお悩みをお持ちの方もいるかと思います!
そこで、今回は組織ポリシーで有効にするべき設定を一つだけご紹介します!
組織ポリシーとは?という方は以下の記事を先に読むことをお勧めします。
有効にするべき組織ポリシー一選
結論から申し上げると、公開されたサービスアカウントキーの自動無効化(Automatically disable exposed service account keys)の組織ポリシーを有効にしましょう!
「公開されたサービスアカウントキーの自動無効化」とは、Google Cloud が公開リポジトリなど、特定のサービスアカウントキーが外部に公開されている場合、その事実を検知することがあります。このリスト制約を設定することで、公開されたキーを自動的に無効化し、漏洩による悪影響を最小限に抑えることが可能になります。
参考: 公開されたサービス アカウント キーを自動的に無効にする
設定オプションと推奨事項
DISABLE_KEY
:
Google Cloud が公開されたキーを検出すると、そのキーを自動的に無効化します。さらに、Cloud Audit Logs イベントを作成し、プロジェクトオーナーとセキュリティ担当者に通知を送信します。この設定は、漏洩を早期に発見し、迅速に対応することで、リスクを最小限に抑えることができます。
本設定が Google Cloud からは推奨されています。-
WAIT_FOR_ABUSE
:
Google Cloud が公開されたキーを検出しても、自動的に無効化しません。しかし、公開されたキーが悪用されていると Google Cloud 側で判断された場合、キーは無効化されます。またDISABLE_KEY
と同様に、WAIT_FOR_ABUSE
の設定でも Cloud Audit Logs イベントを作成し、プロジェクトオーナーとセキュリティ担当者に通知を送信します。
この設定は、漏洩に気づかず悪用されてしまうリスクがあるので、非推奨です。
2024年6月16日以降は、デフォルトでDISABLE_KEY
のとなっています。
組織ポリシーの有効化手順
ここからは実際に、公開されたサービスアカウントキーの自動無効化(Automatically disable exposed service account keys)を有効化します。Google Cloud から推奨されている DISABLE_KEY
を組織ポリシーに適用します。
Google Cloud コンソールから [IAMと管理] > [組織のポリシー] に移動します。
組織ポリシーの一覧から、[Service account key exposure response]を選択します。
[ポリシーを管理]を選択します。
以下の設定を適用します。
- [ポリシーのソース]: 親のポリシーをオーバーライドする
- [ポリシーの適用]: 置き換える
- [ポリシーの値]: カスタム
- [ポリシーの種類]: 許可
- [カスタム値]:
DISABLE_KEY
これで[ポリシーの設定]をクリックすると設定は完了です。
参考: リスト型制約のポリシーの更新
デフォルトで有効な組織ポリシー
参考までにデフォルトで有効な組織ポリシーについても、記載します。
2024年5月3日以降に作成されたすべての組織には、これらのデフォルトポリシーが適用されています。
2024年2月から2024年4月の間に作成された組織の一部にも、これらのデフォルトポリシーが適用されている場合があります。
組織ポリシー名 | 組織ポリシーの制約 | 説明 | 違反措置の影響 |
---|---|---|---|
サービスアカウントキー作成を無効にする | iam.disableServiceAccountKeyCreation |
ユーザーがサービスアカウントの永続キーを作成できないようにします。 | サービスアカウントの認証情報が漏洩するリスクが軽減します。 |
サービスアカウントキーのアップロードを無効にする | iam.disableServiceAccountKeyUpload |
サービスアカウントへの外部公開鍵のアップロードを禁止します。 | サービスアカウントの認証情報が漏洩するリスクが軽減します。 |
デフォルトのサービスアカウントへの自動的なロール付与を無効にする | iam.automaticIamGrantsForDefaultServiceAccounts |
デフォルトのサービスアカウントの作成時に、過剰な権限の IAM ロール Editor を受け取らないようにします。 | Editor ロールはほとんどの Google Cloud のリソースを作成および削除できるため、サービスアカウントが不正使用された場合に脆弱性が発生します。 |
ドメイン別に ID を制限する | iam.allowedPolicyMemberDomains |
リソース共有を、特定の組織リソースに属する ID に限定します。 | 組織リソースを公開してお客様自身以外のドメインを持つアクターがアクセスできる状態にしておくと、脆弱性が発生します。 |
ドメイン別に連絡先を制限する | essentialcontacts.allowedContactDomains |
重要な連絡先を制限して、選択したドメイン内の管理対象ユーザーIDのみがプラットフォーム通知を受信できるようにします。 | 別のドメインの不正な行為者が重要な連絡先として追加され、セキュリティ状態が侵害される可能性があります。 |
均一なバケットレベルのアクセス | storage.uniformBucketLevelAccess |
Cloud Storage バケットがオブジェクトごとのACL(IAMポリシーとは別のシステム)を使用してアクセスを提供することができないようにします。 | アクセス管理と監査により一貫性を実現します。 |
デフォルトでゾーンDNSを使用する | compute.setNewProjectDefaultToZonalDNSOnly |
アプリケーションデベロッパーがCompute Engine インスタンスのグローバルDNS設定を選択できないよう制限します。 | グローバルDNS設定は、ゾーンDNS設定よりもサービスの信頼性が低いものです。 |
まとめ
本記事では、Google Cloud で有効にするべき組織ポリシー一選として、公開されたサービスアカウントキーの自動無効化(Automatically disable exposed service account keys)をご紹介しました。
これにより、サービスアカウントキーの漏洩に対するセキュリティ対策を強化することができます。
セキュリティリスクを軽減し、組織の安全性を高めるためにも、この設定は不可欠です。
この機会に是非設定してみてください!
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