Gemini のグラウンディングとは? ~ RAG との違いや具体的なやり方まで解説 ~

Google Cloud

2024.12.26

Topics

はじめに

こんにちは、Shunです!

皆さん、「グラウンディング」という言葉をご存知でしょうか?
なんとなく、ハルシネーションを抑制できるあれだよね? くらいのイメージはあるかもしれません。

先日あらためて「グラウンディングってなんだっけ?」と疑問に思い、調査し、使ってみると面白かったのでその内容をお話します!

本記事では、「グラウンディングとは?」から「Gemini でのグラウンディングやり方」までをご紹介します!

グラウンディングとは?

そもそも「グラウンディングとは?」という部分からお話します。

生成 AI におけるグラウンディングとは、モデルの出力を、検証可能な情報源に紐付ける仕組みを指します。特定のデータソースにアクセスできるモデルを用意することで、グラウンディングによってその出力を特定のデータに紐づけ、コンテンツの創作の余地を減らすことができます。これは、精度と信頼性が重要な状況で特に重要です。
出典: グラウンディングの概要

グラウンディングを一言でまとめると、

生成 AI の出力を根拠となるデータを基に生成する

となります。

あれ? RAG と同じじゃない??

そんな声も聞こえてきます。次章で、グラウンディングと RAG の違いについて解説します。

グラウンディングと RAG の違い

まずはグラウンディングの例を2つ見てみましょう。

例1: プロンプトに参考情報を埋め込む

これってグラウンディングなの?と疑問に思う方もいると思います。

ただ先ほどご紹介した、グラウンディングとは、「生成 AI の出力を根拠となるデータを基に生成する」ことであり、レスポンスを見る限り、<参考情報>を根拠に回答をしています。

例2: データストアを設定する

この例では、バスケットボールの競技規則をデータストアに設定しています。
ここでは、質問内容を受け、データストア内を検索し、その後、根拠となるデータと共に回答を行います。

グラウンディングと RAG の違いは、以下となります。

RAG は、質問内容を基にデータを検索し、動的に回答を生成する

ざっくりしたイメージですが、

グラウンディング = 生成 AI の出力を根拠となるデータを基に生成する

RAG = “検索” + グラウンディング(生成 AI の出力を根拠となるデータを基に生成する)

と覚えていただければ良いです。

Google Cloud のグラウンディング

グラウンディングの方法

さて、Google Cloud ではどのようにグラウンディングができるのかというと、4種類の方法を選ぶことができます。

  1. プロンプトによるグラウンディング
  2. 独自データによるグラウンディング
  3. Google 検索によるグラウンディング
  4. RAG Engine によるグラウンディング

サポートされているモデル

  • Gemini 1.5 Pro
  • Gemini 1.5 Flash
  • Gemini 1.0 Pro

プレビュー版だと、Gemini 2.0 系のモデルも利用可能です。

グラウンディングの制約事項

現在、グラウンディングには以下の制約事項があるので、この点も頭に入れておきましょう。

  • 英語、スペイン語、日本語のデータソースのみをサポートしています。
  • テキストリクエストに対してのみ使用できます。

参考: Gemini モデルの回答のグラウンディングを行う

やってみた

先ほどご紹介した「グラウンディングの方法」から「Google 検索によるグラウンディング」をピックアップし、 Vertex AI 上で実践してみます。

コンソール右側からグラウンディングをオンにできます。
そして、「カスタマイズ」からグラウンディングの手法を選択します。

「Google 検索」を選択し、「保存」を押します。
これで、Gemini がプロンプトに対するレスポンスを生成する際に、「Google 検索」を行い、そこで得た情報を基に回答してくれるようになります。

Google 検索ができるので、試しに自分のことを聞いてみましょう。

!!!

これは正直驚きでした。
業務内容やセミナー登壇、さらに前職での経歴までを「グラウンディングのソース」と共に回答しています。

一番驚いたのは、私が趣味でやっている筋トレに関する大会の情報まで拾っていることです。。

大きな成果はまだ残せてないので、Gemini に紹介してもらえるようにもっと筋トレ頑張ります!!
(仕事を頑張れ)

まとめ

独自のデータストアの情報を基に返答することは、他のプラットフォームでも可能なことかと思います!
しかし、Google 検索によるグラウンディングは、Google 独自であり、非常に便利な機能だと感じました!

自分の情報を Google 検索し、それをまとめて回答されると「凄さ」よりも「怖さ」を覚えましたw

今回ご紹介できませんでしたが、「RAG Engine によるグラウンディング」は直近 GA された機能になるので、どこかでそれも紹介できればと思います!

最後までお読みいただきありがとうございます!

参考資料

テックブログ新着情報のほか、AWSやGoogle Cloudに関するお役立ち情報を配信中!

Shun

Google Cloud Partner Top Engineer 2025、2024 AWS All Cert、ビール検定1冠

Recommends

こちらもおすすめ

Special Topics

注目記事はこちら