TROCCO の通知先 HTTP 機能を用いた Backlog への課題自動起票の実装

その他

2026.2.13

Topics

概要

2026 年 2 月の TROCCO アップデートで、通知先 HTTP がリリースされました。

これまで Slack または E メールへの通知のみ対応していましたが、新たに任意の HTTP エンドポイントへの POST 送信が可能になりました。
これにより、Discord や Chatwork などのチャットツールへの通知や、Backlog・GitHub への自動起票が可能になります。
2026 年 2 月の TROCCO アップデートのお知らせ – TROCCO ヘルプセンター

本記事では、TROCCO のジョブが失敗した際に、その通知をプロジェクト管理ツールの Backlog に自動で課題として起票する仕組みを実装します。

1. Backlog API の事前準備

まず、Backlog 上の操作をするために、 Backlog API の準備を行います。

  • API キーの払い出し
  • cURL コマンドによる課題起票の動作確認

API キーの払い出し

Backlog の個人設定画面から API キーを発行します。

Backlogの個人設定にあるAPI発行画面。

詳細な手順は、以下の公式ドキュメントをご参照ください。

API の設定 – Backlog ヘルプセンター

cURL コマンドでの動作確認

TROCCO で設定する前に、cURL コマンドを使って手動で課題が起票できるかを確認します。

curl --request POST \
--url "https://$PROJECT_URL/api/v2/issues?apiKey=$API_KEY" \
--header 'Content-Type: application/x-www-form-urlencoded' \
--data projectId=$PROJECT_ID\
--data summary="API Test New issue summary" \
--data description="New issue description" \
--data issueTypeId=$TYPE_ID \
--data priorityId=$PRIORITY_ID

課題の追加 | Backlog Developer API | Nulab

パラメータの準備

課題を起票するには、以下のパラメータが必要です。
「summary」と「description」については、任意の値を設定してください。

パラメータ 説明 取得方法
apiKey 発行した API キー 個人設定画面
projectId 課題を起票するプロジェクトの ID プロジェクト設定画面の URL 末尾(例: .../projects/XXXXXX
issueTypeId 「タスク」「バグ」など、課題の種別 ID 種別一覧の取得 API を実行して確認
priorityId 「高」「中」「低」など、課題の優先度 ID 優先度一覧の取得 API を実行して確認

プロジェクト ID の取得例

Backlogのプロジェクト基本設定画面。

種別 ID の取得例

curl "https://$PROJECT_URL/api/v2/projects/$PROJECT_ID/issueTypes?apiKey=$API_KEY"

種別一覧の取得 | Backlog Developer API | Nulab

※結果が長いため一部抜粋

[
  {
    id: XXXXXXX,
    projectId: XXXXXX,
    name: "タスク",
    color: "#7ea800",
    displayOrder: 0,
  },
  {
    id: XXXXXXX,
    projectId: XXXXXX,
    name: "バグ",
    color: "#990000",
    displayOrder: 1,
  },
];

優先度 ID の取得例

curl "https://$PROJECT_URL/api/v2/priorities?apiKey=$API_KEY"

優先度一覧の取得 | Backlog Developer API | Nulab

[
  { id: 2, name: "高" },
  { id: 3, name: "中" },
  { id: 4, name: "低" },
];

cURL コマンドの実行

必要な情報が揃ったら、以下のコマンドを実行して課題を起票します。

curl --request POST \
--url "https://$PROJECT_URL/api/v2/issues?apiKey=$API_KEY" \
--header 'Content-Type: application/x-www-form-urlencoded' \
--data projectId=$PROJECT_ID \
--data summary="API Test New issue summary" \
--data description="New issue description" \
--data issueTypeId=$TYPE_ID \
--data priorityId=$PRIORITY_ID

コマンドが成功すると、作成された課題情報が JSON 形式で返却されます。
Backlog の画面上で、実際に課題が作成されていることも確認しました。

BacklogのAPIテストで起票された課題。

2. TROCCO の設定

次に、TROCCO 側の設定を行います。

  • 通知先設定
  • ジョブ設定

通知先設定

まず、運用支援 > 通知先 から、新しい通知先を作成します。

TROCCOの通知先一覧画面。

設定項目は以下の通りです。

  • 通知先タイプ: HTTP
  • 通知先名: 任意の名前(例: Backlog 課題起票
  • URL:https://$PROJECT_URL/api/v2/issues?apiKey=$API_KEY
  • HTTP ヘッダー設定: Content-Type:application/x-www-form-urlencoded

通知先設定画面。BacklogへのURL設定。

HTTPヘッダー設定。Content-Typeを指定。

設定が完了すると、通知先一覧に追加されます。

Backlog課題起票を含む通知先一覧。

ジョブ設定

最後に、作成した通知先を任意のジョブに紐付けます。

今回は、検証用に意図的に失敗させるジョブを作成し、通知設定 タブから設定を追加します。

ジョブの通知設定。通知が未追加の状態。

設定項目は以下の通りです。

  • タイプ: ジョブ失敗時
  • 通知先: 先ほど作成した通知先(Backlog 課題起票
  • メッセージ: 課題として起票したい内容を JSON 形式で記述

メッセージは以下の内容です。
見やすいように適宜改行をしてほしいので、「\n」を追加しています。

{
  "projectId": $PROJECT_ID,
  "summary": "TROCCO のジョブ失敗",
  "description":"TROCCO のジョブが失敗しました。\n 詳細について確認してください。\nジョブ ID:{{ JOB_ID }} \nジョブ URL:{{ JOB_URL }}",
  "priorityId": $PRIORITY_ID,
  "issueTypeId": $TYPE_ID
}

通知設定の作成画面。ジョブ失敗時に通知。

設定後、テスト実行 を行うと、Backlog に課題が起票されることを確認できます。

通知設定の一覧とテスト実行ボタン。

テスト実行の段階では、{{...}} の変数は展開されません。

Backlogに起票されたジョブ失敗の課題。

3. 実行結果

準備が整ったので、実際にジョブを実行して失敗させてみます。

TROCCOのジョブ実行サマリー。エラー表示。

ジョブが失敗すると、設定通り Backlog に課題が自動で起票されました。
{{ JOB_ID }}{{ JOB_URL }} といった変数も正しく展開され、課題の詳細に反映されています。

Backlog課題。ジョブIDとURLが記載。

まとめ

この記事では、TROCCO の HTTP 通知機能を使って、ジョブ失敗時に Backlog へ自動で課題を起票する方法を解説しました。

データパイプラインの運用において、エラー発生時には調査が必要になるため、自動で起票できる仕組みは運用が楽になります。
現在は、エラーメッセージを TROCCO 側で確認する必要があるため、エラーメッセージの変数も組み込めるとより、Backlog 上だけで操作が完結しそうです。

同様の方法で、他のプロジェクト管理ツールやインシデント管理システムとも連携できるため、ぜひご自身の環境に合わせて活用してみてください。

参考資料

通知先 HTTP 機能のご紹介: 転送以外でも TROCCO はいろんなサービスと繋がれます
通知設定について | TROCCO(トロッコ)ドキュメント
課題の追加 | Backlog Developer API | Nulab

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2021年新卒入社。インフラエンジニアです。RDBが三度の飯より好きです。 主にデータベースやAWSのサーバレスについて書く予定です。あと寒いのは苦手です。

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