【セッションレポート】AWS 移行こそ最善のセキュリティ対策である理由 ー 納得と説得のエッセンス #AWS Summit Japan 2026

AWS

2026.7.16

Topics

はじめに

こんにちは。イムです。

IT 技術や AI が日々進化していく中で、もはや欠かせない技術の 1 つがセキュリティです。
セキュリティ対策というと、一般的にアンチウイルスソフトウェアやファイアウォールなどを挙げることができます。

そこで、今回もう 1 つの対策として見てみたいのがクラウド環境への移行です。
本記事では、AWS への移行がなぜ・どのようにセキュリティ対策につながるのかを AWS Summit 2026 のセッションをもとにセッションレポートの形でお届けします。

セッション概要

タイトル

「AWS 移行こそ最善のセキュリティ対策である理由 ― 納得と説得のエッセンス」

スピーカー

中島 智広 様
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 ソリューションアーキテクト

このセッションを選んだ理由

このセッションのタイトルには、私が興味を持っているキーワードが 2 つ含まれていたため、迷うことなく選びました。
実際に視聴してみると、今回の Summit の中で最も興味深いセッションとなりました。
まずは、その 2 つのキーワードについて紹介します。

興味を持ったキーワード:「移行」

私はオンプレミス環境からクラウド環境への「移行」プロセス全般に興味を持っています。

特に、要件に合わせて構成図を作成する作業に面白さを感じています。
さまざまなコンポーネントやリソースが有機的につながり、互いに連携する構成を設計する、まるで建築のような作業に魅力を感じています。

そのため「移行」は、クラウドエンジニアとしてぜひ挑戦してみたい領域です。
まだ直接携わった経験はありませんが、これから知識とスキルを積み上げ、近いうちにお客様の移行プロジェクトに関わっていきたいと思っています。

興味を持ったキーワード:「セキュリティ」

脅威に立ち向かい、大切なものを守るという点にも、私は強く魅力を感じています。

中学生のころからセキュリティに興味を持ち続けており、「セキュリティ」という言葉はいつも私の関心を引きます。

現在はインフラ分野全般に携わっており、その中でもセキュリティは特に重要な要素だと感じています。
今後も知識とスキルを磨き、さまざまなプロジェクトに活かしていきたいと思っています。

事前知識

セッション内容に入る前に、理解を助けるための背景知識を整理しておきましょう。

オンプレミスとクラウドのセキュリティの違い

様々な違いがある中で大きな違いの 1 つは、セキュリティ対策の責任範囲です。

出典:「AWS 移行こそ最善のセキュリティ対策である理由 ― 納得と説得のエッセンス」

  • オンプレミスの場合、セキュリティ対策をすべて自社で担う必要があります。
    • 最新の脅威や脆弱性の把握、バージョンアップ、パッチ適用なども自前で対応しなければなりません。
    • さらに、専門知識を持つ人材の確保や、それに伴うコストも課題となります。
  • 一方、 クラウドを利用することで、こうした負担は大幅に軽減されます。
    • CSP(クラウドサービスプロバイダー)がセキュリティ対策の一部を担うため、ユーザー側が管理すべき項目や領域を減らすことができます。
  • つまり、クラウドサービスを利用することで、ユーザーは本来注力すべき業務にリソースを集中でき、生産性の向上が期待できます。

AWS の責任共有モデル

上記のようなセキュリティ対策において、ユーザーと AWS それぞれの担当領域を明確にした概念が「責任共有モデル」です。
CSP によって細部は異なりますが、基本的な考え方は共通しています。

出典:「AWS 移行こそ最善のセキュリティ対策である理由 ― 納得と説得のエッセンス」

この共有モデルでは、ホストオペレーティングシステムと仮想化レイヤーから、サービスが運用されている施設の物理的なセキュリティに至るまでの要素を AWS が運用、管理、および制御するので、お客様の運用上の負担が軽減されます。

出典:AWS「クラウドセキュリティ」>「責任共有モデル」

ここで注目したいのは、この概念のページ上の位置づけです。AWS は「責任共有モデル」を「AWS クラウドセキュリティ」、すなわち「セキュリティ」カテゴリの配下に分類しています。
つまり、ユーザーと AWS が担当領域を分けることが、セキュリティにも関連するという考え方です。

セッション内容 – 慣れた概念への新鮮な再定義

このセッションでは、普段よく耳にする概念を新鮮な切り口で再定義していました。
「セキュリティ」や「責任共有モデル」といった馴染みのある概念に対して、どのようなアプローチが示されたのか、見ていきましょう。

セキュリティとは?

やるべきことに集中できるように、やらなくてもいいことをやらないのがセキュリティである

セキュリティというと、対策のために何かを追加するものだというイメージがありました。
しかしこのセッションでは、何かを足すのではなく「減らすこと」がセキュリティにつながるという、新たな視点が示されました。
これは私にとって、これまで考えたことのない新鮮な観点でした。

責任共有モデルとは?

ユーザーと CSP がそれぞれ得意分野を担当し、効率化を図ること

「AWS の責任共有モデル」については先述しましたが、私はこれまでこれはあくまでも問題が発生した際に誰が責任を取るのかという、ネガティブな話だと思っていました。
しかし、このセッションでは各ステークホルダーが自分の得意領域を担当することで、自然と効率化にもつながるというポジティブな視点で捉えていました。
この「責任を取る」という観点ではなく「効率」に目を向けた点が、私にとっては印象的なアプローチでした。

セッション内容 – 重要ポイント

本セッションは 40 分間でしたが、この記事ではその一部を要点に絞ってお伝えします。

なぜ AWS 移行がセキュリティ対策になるのか

(1) 移行プロセスで脆弱性を発見できる

オンプレミスからクラウドへ移行する際には、既存システムを詳しく分析し、構成を整理・再構築する作業が伴います。
この過程で既存の構成を改めて見直すことになり、これまで見落としていた脆弱性を発見するきっかけにもなるとのことです。

(2) すでにベストプラクティスが適用されている

AWS は創業以来、20年にわたってさまざまなセキュリティ脅威に対応しながら進化を続けてきました。
世界規模で膨大な数の顧客を支える中で、セキュリティ対策のノウハウを蓄積し、ベストプラクティスを磨き上げてきたといいます。

そのため、AWS 上にサービスやアプリケーションを移行することは、すでに洗練されたセキュリティ基盤を活用することを意味し、それ自体がセキュリティ対策につながります。

(3) 手が回るようになることで、具体的なセキュリティ対策に集中できる

先述の責任共有モデルの再定義とも連動する話です。
移行によってユーザーの運用負担が軽減されると、これまでリソース不足で手が回らなかった部分にも対応できるようになります。

これは「セキュリティとはやらなくていいことをやらないこと」という再定義とも一致しており、ユーザーが担うべきセキュリティ対策に集中できる環境が整うことを意味します。

(4) 規模から得られるセキュリティ

出典:「AWS 移行こそ最善のセキュリティ対策である理由 ― 納得と説得のエッセンス」

AWS は 60 秒ごとにエクサバイト規模のデータを分析し、不審なアクセスをネットワークスタックレベルで自動的にブロックしているとのことです。
その結果、AWS 上への攻撃はその他の環境と比べて約 73% 少ないとされています。

このように、AWS のスケールそのものが攻撃を抑止する力となっており、攻撃者にとって狙いにくい環境を形成する基盤となっています。

納得・説得のためのエッセンスとは

このパートはこのセッションをより特別にするところだったと思います。
セッションによっては「これが良い」という説明にとどまり、「実際に自社にどう適用するか」まで踏み込まないことがあります。
しかしこのセッションはその点まで丁寧に説明されており、非常に実践的な内容でした。

(1) 技術的な話より数値的な話をすること

エンジニアはつい、技術的な優位性や仕様の話に偏りがちです。
意思決定者がエンジニアであれば通用することもありますが、経営層など非エンジニアには別のアプローチが必要です。
彼らが求めるのは数値的な根拠であり、「リソースをどれだけ削減できるか」「コストをどれだけ抑えられるか」といった具体的な指標です。

(2) 話を伝える主体を適切に決める

同じ内容でも、誰が話すかによってその影響力は大きく変わります
話す人の立場や役職、相手との関係性が、メッセージの受け取られ方に影響するからです。
セキュリティの話も例外ではありません。相手がエンジニアか非エンジニアか、一般社員か経営層かによって、最も効果的に伝えられる人物を選ぶことが重要です。
時には自分ではなく、上司や他部門の同僚、営業担当者を通じた方が話が通りやすいこともあります。

特に印象に残ったこと

セッションの内容は以上です。
このセッションが個人的に特に印象的だったのは、単に興味のある分野だったからというだけではありません。

(1) ある特定の概念に対する新鮮なアプローチと再定義

上に書いた「セキュリティ」や「責任共有モデル」についての新しいアプローチが私にとっては新鮮でした。
実はすでに長年言われているアプローチかもしれませんが、個人的な認識とは異なっていたからです。

新しい視点や考え方を得られることが、人の話を聞いたり新しい経験をしたりすることの醍醐味だと思っています。
このセッションはまさにそれを体験できる、有意義な機会でした。

(2) 実際に「どうやって周りの人に納得してもらって、適用するのか」まで教えてくれる点

「こうすると良い」という提案にとどまらず、現場に戻ってどう実践するかまで踏み込んでいる点が、このセッションの特長だと感じました。
関係者への説明の仕方や、誰を通じて伝えれば効果的かといった実践的なヒントまで提供されており、非常に有益な内容でした。

今後どう活かすか

AWS への移行案件を担当した際にお客様に説明する

このブログを執筆する中で、セッションの内容が自分の中で整理され、「なぜ AWS への移行がセキュリティ対策になるのか」を自分の言葉で説明できるようになったと感じています。

また、「規模から得られるセキュリティ」で触れたような具体的な数値を知ることで、これまで抽象的だった理解がより明確になりました。

今後、移行案件にアサインされた際や提案の場面で、お客様にそのメリットをわかりやすく伝えることに積極的に挑戦していきたいと思います。

おわりに

AI の発展とともに、脅威も進化・多様化しています。
AWS Summit 2026 でも多くの企業ブースが「セキュリティ」をキーワードに掲げており、その傾向はこの時代の流れを如実に示しているといえるでしょう。

セキュリティ対策の一環として、AWS への移行をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

お読みいただきありがとうございました。

imu

26卒のクラウドエンジニアで、韓国のソウル出身です。AWSの学習、特にアーキテクチャ設計に面白さを感じています。

X (Twitter) をフォローする

テックブログ新着情報の他
AWSやGoogle Cloudに関する
お役立ち情報を配信中!

Recommends

こちらもおすすめ

X (Twitter) をフォローする

テックブログ新着情報の他
AWSやGoogle Cloudに関する
お役立ち情報を配信中!

Special Topics

注目記事はこちら