インフラ百景(仮)

Tech

2015.12.10

山代と申します。
NHNテコラスという会社で絵を描いたり、デザインをしたりしてなんとか口を糊しています。
今回のデータホテルテックブログは、「エンジニア飽きたから絵描きになる!」という方を対象にイラスト制作工程をご紹介しつつ、沿革では語られないNHNテコラスの歴史に触れるという毒にも薬にもならないエントリーです。
張り切りすぎて進退をかけて書いた結果、サービス責任者と編集部による検閲が入ってしまったため、墨塗り教科書みたくなってしまいましたが、何らかのステイティズムを唱えたわけではありません。
箸休めにしては長めの記事ですがお付き合いいただけますと喜びます。

第一景「巨人とsquare1

pict1
この訳の分からない画が制作されたのは2013年1月(適当)のことでした。
square75(じぶん用語)で導入可能なクラウドサービスは、当たり前のように成長を続け、
従来のITインフラ事業のあり方を大きく変える存在になっていました。
下記のランキングは当時の僕がよく見ていた「google検索窓の夢」で検索したワードランキングです。square55にお客様とsquare75を根こそぎ持ってかれるんじゃないかという僕の動揺が良く表れています。
検索単語/検索回数
1位「農業 稼ぎ/49」
2位「YouTuber なりかた/41」
3位「さくら 転職/37」
3位「IIJ 転職/37」
5位「amazon 求人/35」
6位「さくら コンボ/21」
7位「データホテル 評判/15」
8位「ハンター試験 会場/13」
9位「ステーキ 焼き加減/8」
10位「喝 サンデーモーニング 誰/6」
当時の僕は「この事態をなんとかしたい!ついでに会社を元気づけたい!あわよくばとsquare1仲良くなりたい!」と日々思いながらも、夢からくる寝不足のせいでうまく仕事が回せず肩身が狭い、しかし給料は振り込まれるという、飴の鞭でぶたれるような日々を送っていました。
そんな僕がこの悪夢から抜け出せたのは、「ちょっと山代、なんか絵ぇ描いてみてよ」と雑なお達しをくれた当時のsquare75square55のおかげです。
つうわけで以下より、イラストの構想から完成までのざっくりを綴らせていただきます。
 

制作の大まかな流れ
————————–
どんな画にするか決める

「Maya」で3Dシーンを作成

「Photoshop」でレタッチ

出来た画を自慢する
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どんな画にするか

今回は「強大な相手に立ち向かう、貧弱だけど無限の可能性を秘めたおれたち」という判りやすいお題があったので余裕でした。
つまり、流行りのマンガに乗っかった以下のような画です。
繁栄を築き上げたデータホテルは、「フルマネージドホスティング」、「EX-CLOUD」、「ECO Pro」という巨大な三重のホスティングサービスの内側に顧客を確保することで、辛うじてその命脈を保っていた。
そこに突如出現した「square55」。
本イラストは、従来のインフラ事業に改革をもたらしたsquare75に挑むという建て前で、おれたちデータホテルがsquare55square1する様子を描いたものです。
※補足:今はあわよくば仲良くさせていただいております。
 

「MAYA」で3Dシーンを作成

最初にこの画のキモである巨人を作っていきます。
pict2
 
ここではないマトモな3Dメイキングのブログや映像なんかでもよく見かける例のポーズです。
どうしてこんなポーズかというと、骨入れの際に設定が容易なポーズだからです(後述)。
pict3
 
このsquare1square75の象徴なので、スピードを表現するために腰から下を馬のような蹄行性の脚にしました。
pict4
 
頭に生えた冠的な宮殿は、square55の尊大さを表しています。
pict5
 
できたモデルに見えない骨を入れて、自由なポーズがつけれるようにします。
pict6
 
骨の動きに対してどれだけの肉(ポリゴン)がついてくるか設定しています。各関節の動きに合わせて稼働する箇所、しない箇所を白黒のブラシで塗り分けます。この時にさきほどのラジオ体操みたいな左右対称ポーズでモデルを作っておけば塗りやすいのです。
通常は、コレに加えてアニメーションを容易にするための様々な設定をするのですが、今回は動画を作るつもりではないので基本的なスタンスとして「モデルを作ってセットアップする労力>手描きでレタッチする労力」であれば3Dシーンで無理に作りこんだりはしません。
pict7
 
コテコテのJインフラ屋である我々を象徴するのは、駿馬にまたがる侍。
こいつらも先ほどの巨人と同じように骨を入れてポーズをつけてます。
pict8
 
モデルを配置していい感じの構図を探ります。
黄金の雲はクラウド技術の象徴です(ベタ)。
pict9
 
このsquare200square75を模った
square300square55です。
pict10
 
何がしかのコンセプトを持って蓮の花のようなモノをわざわざ作って設置したハズなのですが、描きあがる頃には忘れてしまいました。
pict11
 
いい感じの構図でレンダリング。レタッチの元になるPNG画像を書き出します。
pict12
 
 

「Photoshop」でレタッチ

「Photoshop」のブラシで手描きレタッチを加えて、全体に趣を加えると同時に3D臭さを低減させます。
pict13
 
背景や煙など手で描いた方が早いものをここで描きます。
pict14
 
距離感を出すために色味や陰影を調整、ハイライトを描き足すなど。
pict15
 
手前の侍を引き立たせるために、雲間から射し込む斜線型(データホテルのロゴマーク型)の光を加えます。
pict16
 
で、最終的にメリハリをつけたりしてようやっと完成です。
描き上げた画にそれっぽい趣意をつけると、一気にシゴトでやってる感が出るのでおススメです。
pict1 pict17_2
 

出来た画を自慢する

描きあがった画をお好みの論旨で自慢します、遊びでやってんじゃない感を切らさないように注意してください。現場からは以上です。
その後、わりかし達成感のあるシゴトをこなしたことで、すこぶる調子に乗った僕は、
「なんか、square55から引き抜きの電話がかかってきそうでめんどくさい」
とかでかい口をたたくようになったのでした。
※今はすっかり根も生え、自分の家みたく散らかった机で、「スティーブ・ジョブスの机も汚かった」と開き直る毎日です。
以上、ダイジェスト的に色々すっとばして描いてますがこんなアレです。だらだらとお付き合いいただきありがとうございました。
次回(あれば)は「知らなくてもなんとかなるインフラ事業のプロモーション」でお茶を濁していきたいと思います。
「NHNテコラスざこいな、こんなん余裕で描けるわ」とお感じになった方は。
是非下記の採用ページリンクからご応募いただければ幸いです。
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