MegaportのAWS接続で利用可能なホスト型VIFとホスト型接続の違いについて
はじめに
前回の記事で、Megaportのサービスを利用してAWSへ接続する場合、ホスト型VIFとホスト型接続が利用可能と説明しましたが、この2つの接続方法の違いについて調べてみましたので、内容について共有します。また、どのような場合にどちらを選択すればよいのかについても説明します。
なお、前回の記事は以下になります。
結論
以下が必要な場合は、ホスト型接続を選択する必要があります。
- トランジットゲートウェイ(トランジットVIF)を利用する場合
- 同じ接続ロケーション内で冗長化が必要な場合
- 10GbpsのVXCを構成する必要がある場合
以下が必要な場合は、ホスト型VIFを選択する必要があります。
- VXCの速度をサービス中に変更する必要がある場合
上記のいずれも当てはまらない場合はどちらを選択しても構成可能ですが、ホスト型VIFには以下のメリットがあります。
- ホスト型接続よりもホスト型VIFのほうが料金が安く設定されている(※1)
- ホスト型接続よりもホスト型VIFのほうが構成するために必要な設定が簡単
※1 Megaportが公式に提供している価格での比較になります。パートナー経由の場合は、パートナーが提供している価格によって異なる場合があります。
違いについて
ホスト型VIFではトランジットゲートウェイ(トランジットVIF)が利用できない
ここが一番大きな違いになると思います。ホスト型VIFでは、プライベートVIFとパブリックVIFを構成できますが、トランジットVIFを構成することができません。ホスト型接続は、それらすべてを構成することができます。
プライベートVIF | パブリックVIF | トランジットVIF | |
---|---|---|---|
ホスト型VIF | 対応 | 対応 | 未対応 |
ホスト型接続 | 対応 | 対応 | 対応 |
余談ですが、以前はホスト型接続においても1Gbps以上の帯域でのみトランジットゲートウェイはサポートされていましたが、現在は500Mbps以下の帯域においてもサポートされています。
AWS Direct Connect が AWS Transit Gateway への多様な接続速度をサポート : https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2022/08/aws-direct-connect-expands-transit-gateway-support-connection-speeds/
ホスト型接続は帯域専有型・ホスト型VIFは帯域共有型
AWS設備〜Megaport設備の間の接続の話になりますが、ホスト型接続は帯域専有型のサービス、ホスト型VIFは帯域共有型のサービスになります。しかし、ホスト型VIFの場合はMegaport社において輻輳などが発生しないように帯域のモニタリングが実施されており、帯域確保型(※2)としてサービス提供されているようです。
※2 なるべく契約している帯域に近い速度の通信を提供するサービスのことです。パフォーマンスが出なくなった場合、通信事業者側の設備増強などにより対処が行われます。
ホスト型VIFはVXCの帯域の変更が可能
ホスト型VIFでは、VXCの帯域の変更が可能です。たとえば、1時間だけ広帯域を利用してデータ転送を行いたいといったことに対応することができます。ホスト型接続はあらかじめ設定した帯域を利用し続けることになるので、帯域の拡張が必要な場合はVXCを作り直す必要があります。
最大VXC帯域の違い
ホスト型接続においては、10Gbpsまでの帯域を割り当てることができますが、ホスト型VIFにおいては、5Gbpsが上限になります。10Gbpsの利用が必要な場合は、ホスト型接続を選択することになります。
ホスト型VIFでの帯域選択
ホスト型接続での帯域選択
同じ接続ロケーション内での冗長化が可能かどうか
ホスト型接続では、冗長化が選択可能なロケーションにおいては、2つのゾーンのどちらに接続するかを選択することができます。ゾーンをわけることで、機器を冗長化することができます。ホスト型VIFでは選択することができないようです。ただ、ホスト型VIFにおいても、接続するロケーションをわけることで冗長化することが可能です。たとえば、”AtTokyo Data Centre Tokyo”と”Equinix TY2 Tokyo”を接続ロケーションとすることで冗長化できます。
ホスト型VIFでのロケーション選択
ホスト型接続でのロケーション選択(冗長化ゾーンが選択可能)
最後に
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