AWS NAT GatewayをAWS Transit Gatewayに集約する損益分岐点を調べてみた

AWS

2023.12.7

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はじめに

この記事はNHN テコラスAdvent Calendar 2023の7日目の記事です。
このAWSアカウントではVPCが3つ構成されており各AZでNAT Gatewayが展開されています。

以下の図のようにTransit Gatewayを用いてアウトバウンド通信を集約することが可能です。


後述で触れますがNAT GatewayやTransitGatewayは利用時間やデータ処理量に対して課金されるため、
利用時間やデータ処理量によってどちらの構成がコストメリットがあるのか?やどのくらいコストに差があるのか?などが気になったので調査してみました。

結論

  • 今回の「3VPC-2AZ構成」の場合、データ処理量1387GBが損益分岐点となる。
  • 基本的にVPCの数が多ければ多いほどTransit Gateway集約構成のコストメリットが高まり
    データ処理量が多ければ多いほどNAT Gateway個別構成のコストメリットが高まる。

料金

2023年11月29日時点の東京リージョンNAT Gateway、Transit Gateway料金は以下になります。
それぞれ利用時間に対して課金される時間単位料金と データ処理量に対して課金されるデータ処理料金に分けられます。

  • NAT Gatewayの料金
    時間単位料金:NAT Gatewayの利用時間に対して0.062 USD/時
    データ処理料金:NAT Gatewayで処理されたデータ量に対して0.062USD/GB
  • Transit Gatewayの料金
    時間単位料金:Transit Gatewayアタッチメントの利用時間に対して0.07 USD/時
    データ処理料金:Transit Gatewayで処理されたデータ量に対して0.02USD/GB

※データ転送料金については本試算に含めておりません。

各構成のリソース数

下図のようなNAT Gateway個別構成では3つのVPCがあり各VPCで2つのAvailability Zone(AZ)にリソースをプロビジョニングしています。
その場合、冗長化のため各AZごとにNAT Gateway6つ分の時間単位料金が発生します。

次にTransit Gateway集約構成では下図のようになります。
1つのアカウントのみNAT Gatewayを用意して各VPCにTransit Gateway Attatchmentを作成します。
その場合、NAT Gateway:2,Transit Gateway Attatchment:3つ分の時間単位料金が発生します。
Transit Gateway Attatchmentは各VPCごとに必要になります。

データ処理量を変動させた場合の損益分岐点

前提条件として上図のように「3VPC-2AZ構成」の場合で計算しています。
(VPCの数やAZ数やリージョンなどの要因でコスト変動するためご認識ください。)
データ処理量を変動させた月額利用料の試算は下表になります。


データ処理量を変動させた月額利用料のグラフは下記になります。
データ処理量が1387GB以下の場合は、Transit Gateway集約構成がコストメリットがあり
1387GB以上の場合はNAT Gateway個別構成がコストメリットがある結果になりました。

計算方法

AZ数を2,VPC数をx,データ処理量をyとおき、月額利用料を計算式に表すと以下になります。

NAT Gateway個別 = (45.26[NAT Gateway利用費用] *2[AZ])x+0.062[データ処理費用/GB]y
                                     = 90.524x+0.062y [USD/月]

Transit Gateway集約 = 51.1[TG Attatchment利用費用]x+0.082[データ処理費用/GB]y
                                           + (45.26[NAT Gateway利用費用]*2[AZ])
                                          = 51.1x+0.082y+90.52 [USD/月]

xの係数がNAT Gateway個別構成が大きく、yの係数がTransit Gateway集約構成のほうが大きいことから
VPCの数が多ければ多いほどTransit Gateway集約構成のコストメリットが高まり
データ処理量が多ければ多いほどNAT Gateway個別構成のコストメリットが高まる
という事が言えます。
データ処理量の係数の差がそれほど大きくないのでVPC数が少なければ基本的にはTransit Gateway集約構成のほうがコストメリットのある結果になりそうです。

参考としてそれぞれデータ処理量を1GB、VPC数を3,各AZを2に固定した利用料のグラフが下記になります。

参考記事

Transit Gateway の動作 – Amazon VPC
VPC への Transit Gateway アタッチメント – Amazon VPC

NT1

インフラエンジニアです。刹那的に生きてます。

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