Amazon RDS Performance Insights を有料利用枠にすると熱い
2023.12.31
はじめに
最近のアップデートで、Performance Insights を有料利用枠で使っている場合のみ使える機能がリリースされています。
(今後変更になる可能性もあります)
Amazon RDS Performance Insights はオンデマンド分析エクスペリエンスを提供します
→2023 年 8 月 16 日リリース
Amazon RDS Performance Insights は、メトリクスが推奨されるしきい値に違反した場合に推奨事項を生成するようになりました
→2023 年 12 月 19 日リリース
今まで、有料利用枠の優位性が薄かったですが、これらのアップデートのおかげで有料利用枠のほうがより良い機能を利用できるようになりました。
今回はその有料利用枠の優位性についてご紹介します。
なお、Performance Insights についてよく知らないという方は以下をご覧下さい。
コストについて
まず初めに、Performance Insights の料金についてご説明します。
Performance Insights では、「無料利用枠」と「有料利用枠」の 2 つに分かれます。
それぞれについて詳細を一つずつ記述します。
料金 – Performance Insights | AWS
無料利用枠
Performance Insights では、過去 7 日間のパフォーマンスデータ履歴を無料で提供しています。
提供されている無料枠
- 7 日間分のパフォーマンスデータ履歴
- 1 か月あたり 100 万件のリクエスト
正直これだけでもかなり便利な機能になってます。
有効化していない環境は、ぜひ有効化をご検討下さい。
有料利用枠
無料利用枠と違う点は「データの保存期間」です。
- 1 ~ 24 か月間のパフォーマンスデータ履歴
例えば、年間でアクセスが変化するユースケースのときは長期的な分析ができるためかなり有用です。
保存期間に応じて、コストも変動します。
基本的には、「vCPU 単価」と「保存期間単価」の 2 つコストが発生します。
また、「プロビジョニング」の場合と「サーバーレス」の場合で単価が異なります。
1 ヶ月を選択した場合にかかるコスト:vCPU 単価のみ発生
- プロビジョニング : 1.7561USD を 1 か月あたり vCPU ごと
- サーバーレス : 0.439USD を 1 か月あたり ACU ごと
2 ヶ月以上を選択した場合にかかるコスト:vCPU 単価と保存期間単価が発生
- プロビジョニング : (1.7561USD + 0.0739USD を保存期間が 1 か月追加するごと)を 1 か月あたり vCPU ごと
- サーバーレス : (0.439USD + 0.0185USD を保存期間が 1 か月追加するごと)を 1 か月あたり ACU ごと
1 ヶ月を選択した場合にかかるコストの例
- プロビジョニング : db.m5.large(2vCPU)
- RDS Performance Insights の合計コスト (毎月): 3.52 USD
計算式
- vCPU 単価: 1.7561 USD
- 1 インスタンス x 2 vCPU x 1.76 USD = 3.52 USD
2 ヶ月以上を選択した場合にかかるコストの例
「3 ヶ月」で計算しています。
- プロビジョニング : db.m5.large(2vCPU)
- RDS Performance Insights の合計コスト (毎月): 3.82 USD
計算式
- 保存期間単価: 0.0739 USD
- プラスコストが発生する保存期間:3 月 – 1 月 = 2 追加月間
- 2 追加月間 x 0.0739 USD = 0.15 USD
- vCPU 単価: 1.7561 USD
- 合計のコスト 1.7561 USD + 0.15 USD = 1.91 USD
- 1 インスタンス x 2 vCPU x 1.91 USD = 3.82 USD
有料利用枠の機能
有料利用枠にすると以下の使える機能が増えます。
- オンデマンド分析:一定期間のデータベースのパフォーマンスを分析する機能
- プロアクティブな推奨事項:RDS 推奨事項に Performance Insights の結果を表示する機能
どちらとも DB の分析をより簡単にしてくれる機能です。
後述で詳細をご説明します。
なお、DB エンジンやリージョンによって使える機能に差異があるため詳細はドキュメントをご確認ください。
Performance Insights の Amazon RDS DB エンジン、リージョン、インスタンス クラスのサポート – Amazon Relational Database Service
Performance Insights の Amazon Aurora DB エンジン、リージョン、およびインスタンスクラスのサポート – Amazon Aurora
オンデマンド分析の機能紹介
選択した期間で、パフォーマンス分析のレポートを生成してくれます。
Amazon RDS (Relational Database Service) Performance Insights は、お客様がデータベースのパフォーマンスメトリクスをオンデマンドで分析し、パフォーマンスの問題をトラブルシューティングできるようになりました。
機械学習モデルを活用して、選択した期間中のパフォーマンスのボトルネックを特定し、次に何をすべきかアドバイスを提供します。
Amazon RDS Performance Insights でオンデマンドの分析エクスペリエンスを提供
まず、期間を設定します。
すると、分析した結果を表示してくれます。
また、どういった改善をすればいいかも教えてくれます。
これの機能で、より簡単にDBの負荷が高いタイミングのパフォーマンス分析が可能になります。
Analyzing database performance for a period of time – Amazon Relational Database Service
詳細な使い方は以下の TechBlog をご覧ください。
プロアクティブな推奨事項の機能紹介
DB の負荷が高かったタイミングで、どういった問題があったのかを推奨事項として表示してくれます。
Amazon RDS (Relational Database Service) Performance Insights は、差し迫ったデータベースのパフォーマンスと可用性の問題を、重大になる前に通知する推奨事項を生成するようになりました。
RDS Performance Insights は、将来データベースの健全性の低下につながる可能性のある潜在的な問題がないかデータベース インスタンスを継続的に監視します。
このような状況を検出すると、差し迫った問題の性質を説明する新しい推奨事項が生成され、その問題を軽減するために実行できる具体的なアクションが含まれます。
Amazon RDS Performance Insights は、メトリクスが推奨されるしきい値に違反した場合に推奨事項を生成するようになりました
Performance Insights利用していて、DBの負荷が高くなったタイミング等で自動的に推奨事項が表示されます。
また、こちらも同じくどういった負荷だったのかとどう改善すればいいのかを表示してくれます。
詳細な使い方は以下のドキュメントをご覧ください。
Performance Insights のプロアクティブな推奨事項の表示 – Amazon Relational Database Service
Performance Insights ダッシュボードを使用したメトリクスの分析 – Amazon Relational Database Service
まとめ
今までのPerformance Insightsは、現状の可視化をするときにかなり便利な機能でしたが、ユーザー側で可視化した情報を分析する必要がありました。
しかし、最近のアップデートにより、分析までもPerformance Insightsが担ってくれます。
それぞれの機能は似た機能ですが、実行するタイミングが異なるため双方使い分けてご利用下さい。
参考資料
料金 – Performance Insights | AWS
Performance Insights の Amazon RDS DB エンジン、リージョン、インスタンス クラスのサポート – Amazon Relational Database Service
Performance Insights の Amazon Aurora DB エンジン、リージョン、およびインスタンスクラスのサポート – Amazon Aurora
Analyzing database performance for a period of time – Amazon Relational Database Service
Performance Insights のプロアクティブな推奨事項の表示 – Amazon Relational Database Service
Performance Insights ダッシュボードを使用したメトリクスの分析 – Amazon Relational Database Service
テックブログ新着情報のほか、AWSやGoogle Cloudに関するお役立ち情報を配信中!
Follow @twitter2021年新卒入社。インフラエンジニアです。RDBが三度の飯より好きです。 主にデータベースやAWSのサーバレスについて書く予定です。あと寒いのは苦手です。
Recommends
こちらもおすすめ
-
Amazon RDS のパラメータグループを比較する
2024.3.7
-
【ハンズオン】AWSで実用的なWordPressを構築してみる!
2022.8.31
-
Amazon RDS でマスターユーザーを誤って削除したが復元したい
2023.12.29
Special Topics
注目記事はこちら
データ分析入門
これから始めるBigQuery基礎知識
2024.02.28
AWSの料金が 10 %割引になる!
『AWSの請求代行リセールサービス』
2024.07.16