【Amazon Bedrock】Claude 3 Haikuが利用可能になりました!
はじめに
こんにちは、フクナガです。
2週間前にClaude 3 SonnetモデルがAmazon Bedrockで利用可能になったことをお伝えする記事を書きました!
その際に、「Claude 3には他に2つのモデルがある」という話をしていました。
そしてとうとう、HaikuがAmazon Bedrockで利用できるようになりました。
Anthropic’s Claude 3 Haiku model is now available on Amazon Bedrock
既存のモデルとの比較や料金、用途について考えていければと思います!!
利用可能なリージョン
2024/03/14時点では、「us-east-1(バージニア北部)」「us-west-2(オレゴン)」のみで利用可能です。
下記ページに最新のリージョン対応状況が記載されていくようなので、ブックマークしておくとよいかもしれませんね。
Model support by AWS Region
Sonnetモデルとの比較
Claude 3 Sonnet
Claude 2、2.1に比べ性能・スピードともにより高いです。
知能レベルについてはOpusには及ばないものの、Haikuよりは高くなっています。Claude 3 Haiku
最も速く、コスト効率の高いモデルです。
知能レベルについては他モデルのほうが高いですが、ユースケースに必要なパフォーマンスが出ると判断できれば、最も安価に利用可能です。出典:Anthropic’s Claude 3 Sonnet modelがAmazon Bedrockで利用可能になったので使ってみた
Claude 3のモデルの中で最も安価に利用できるモデルと言えます。
英語の「Haiku」は日本語の「俳句」と同じ意味なので、もしかしたら「手軽さ」や「速さ」を表現するためのネーミングなのかもしれませんね。
料金
現在(2024/03/14)、us-east-1(バージニア北部)、us-west-2(オレゴン)での利用料金は下記となります。
モデル | インプット料金/1000トークン | アウトプット料金/1000トークン |
---|---|---|
Claude 3 Haiku | $0.00025 | $0.00125 |
Claude Instant | $0.00080 | $0.00240 |
Claude 3 Sonnet | $0.00300 | $0.01500 |
Claude 2.0/2.1 | $0.00800 | $0.02400 |
※上から値段の安い順に並び替えています
出典:Amazon Bedrock Pricing
Claude 3 Haikuモデルは、Claude3のほかモデルだけでなく、すべてのClaudeのモデルの中で最安値で利用可能です。「より古いもの」が安いことが多いので、これは驚きです。
用途に応じた性能比較をした結果にあまり差がなければより安いモデルを利用すると思いますが、この場合はどれを選定するのが適切なのでしょうか。
知っておくべきは、 「Claude InstantとClaude 3 Haikuってどっちが性能がいいの?」 ということです。
「Claude 3 Sonnetを使っていて、コスト削減のために別モデルを検討したい」という場合に、Claude InstantとClaude 3 Haikuのどちらを選ぶべきか知っておきたいということです。もし、Claude 3 Haikuのほうが性能が高いのであればClaude Instantを選ぶという選択肢自体がなくなると思います。
正確な性能比較試験を行うことは難しいですが、いくつかのサンプルで出力結果などを比較してみようと思います!
ドキュメント上でのClaude Instant、Claude 3 Haiku比較
Anthropic社が公式で提供しているドキュメント内の「Model comparison」を確認してみました。
Claude InstantよりもClaude 3が優れているということがStrengthsやComparative latencyなどいくつかの点から読み取れました。
この時点で満足いただける方は、どんどんClaude 3 Haikuを使っていただければと思います。
しかし、私は「安いうえに性能が高いだって?そんなうまい話があるわけない。」と思ってしまうタイプなので、いくつかお試ししてみようと思います。
プロンプト実行結果の比較
今回ですが、画像入力ができる/できないという差は前回の記事で書きましたので取り扱いません。
また、比較にはAmazon Bedrockコンソールで提供される「プレイグラウンド」の「チャット」を利用します。
Claude Instant側に「私は画像入力に対応していませんよ」という注意書きが出るのは非常に親切ですね。
正直で好感が持てます。
(1) 文章生成
入力プロンプト
あなたは、ITに詳しいWebライターです。
「生成AIの未来」というテーマでWebコラムを書いてください。
①【Haiku】アウトプット
生成AIの未来
生成AIの発展には目覚ましいものがあります。テキスト、画像、動画の生成、そしてプログラミングコードの自動生成など、私たちの日常生活に大きな影響を及ぼしつつあります。
この新たな技術がどのように私たちの生活を変えていくのでしょうか。生成AIは仕事の効率化や創造性の向上に貢献できる一方で、倫理面での課題も生じています。
まず生産性の向上に関しては、単純な業務の自動化や創造的な仕事への活用が期待されます。プログラミングやコピーライティング、デザイン業務などで生成AIを活用することで、作業時間の大幅な削減が可能になります。
一方で、偽物の生成や著作権侵害、偽情報の拡散など、生成AIの悪用も危惧されています。適切な規制と倫理指針の策定が重要です。
また、人間の仕事を奪う可能性も指摘されており、社会的な影響も無視できません。生成AIの発展と雇用問題のバランスをどう取るかが課題となるでしょう。
生成AIは私たちの生活に大きな変革をもたらします。その可能性と課題を十分に理解し、適切に活用していくことが重要です。倫理的な配慮と、生成AIを人間の創造性を引き出すツールとして活用することが、この新技術の未来を拓くカギになるのではないでしょうか。
簡潔で非常にわかりやすいです。自身(生成AI)のネガティブな面が多く語られていて、非常に誠実だなと思いました。
②【Instant】アウトプット
はい、以下が「生成AIの未来」に関するWebコラムの原稿です。
生成AIの未来
最近話題となっている生成AIには、文章や画像、音声などを自動で生成する能力が備わっています。代表的なのがGPT-3で、自然言語処理を実現していることで様々なアプリケーションの開発が進んでいます。
生成AIの今後の可能性として、以下の点が注目されています。
- コンテンツ製作の効率化
文章の作成やイラストレーションの描画など、コンテンツ製作において生成AIが活用され始めています。AIの能力が上がれば、人間に取って代わる可能性もあるでしょう。 -
AIアシスタントの進化
スマートスピーカーやチャットボットなど、AIアシスタントは生成AIを応用して対話能力を高めていきます。自然なコンテキストと会話を実現できるでしょう。 -
言語バリアの解消
翻訳などを含め、生成AIは言語の壁を乗り越える可能性があります。例えば英語以外の言語でもAIアシスタントと自然な対話ができる社会を実現できるかもしれません。
一方で、生成AIには深刻な懸念点も指摘されています。フェイクニュースの大量生成、個人情報の漏洩、人種差別的な内容生成など、倫理面での課題は今後深刻化すると考えられます。開発者は生成AIを正しく活用し、誤用を防ぐ工夫が必要不可欠だといえるでしょう。
以上が、生成AIの可能性と課題についてのまとめでした。AIの進歩は人々の生活を向上させる一方で、新たな懸念も孕んでいるといえるでしょう。
Haikuに比べると文章間のつながりが薄く、ストーリー性のようなものが薄いように感じました。ただ、生成AIからこのレベルの出力が出たら普通に素晴らしいなと思ってしまいます。
個人的な好みはHaikuの出力です。
(2) 記事要約
以前SNS告知用のサマリという用途で検証記事を出しました。
Amazon BedrockのいくつかのモデルでSNS投稿向けにTechBlog(技術記事)の要約を試してみた
Claude 3 Sonnetについて書かれた記事の要約を試してみました。
インプット
articleの内容を要約し、SNS告知用の短い紹介文を作成してください。
<article>
記事の全文を記載
</article>
①【Haiku】アウトプット
要約:
Anthropic の AI モデル「Claude 3 Sonnet」がAmazon Bedrock 上で利用可能になりました。特徴として、画像入力への対応や多言語対応が挙げられます。他の Claude 3 モデルとの比較も行い、Sonnet モデルが最もバランスの取れたモデルだと分析しています。実際に使ってみた例として、画像の説明や比較を行い、その有用性を確認しました。
SNS 告知文:
Anthropic の AI モデル「Claude 3 Sonnet」が Amazon Bedrock 上で利用可能に!画像入力にも対応し、多言語で使えるなど、バランスの取れた高性能モデルです。実際に使ってみた事例もご紹介しています。AIの可能性を感じられる内容ですよ。
適切な要約、そして告知文が作成できているかなと思います。手直しは必要ですが、たたき台としては非常に優秀だと思います。
②【Instant】アウトプット
Anthropic’s Claude 3 SonnetモデルがAmazon Bedrockで利用可能に – 画像入力機能を含む新モデルの特徴と活用事例についてまとめた。視覚情報への対応や多言語対応、さまざまなモデル間の違いについて詳しく解説。実際に画像説明などを行ない性能を確認した。導入で業務効率化やシステム精度向上が期待できそうである。
文章生成という点において、少し「人間味」が薄いのかなと感じました。ただ、要点の抽出は高い精度でできているのでこちらもたたき台としては十分に利用可能です。
ただ、こちらのユースケースにおいても私はHaikuのほうが好みかなと思います。
まとめ
今回の記事では、Amazon Bedrockで利用可能になった「Claude 3 Haiku」の特徴を解説し、値段が近い「Claude Instant」との比較を行いました。コスト観点でClaude 3 Sonnetよりも気軽に使えるモデルですので、恐れず色々試していければなと思います!
また、生成される内容についても今回試したユースケースではどちらも満足できる出力だったなと感じています。
今後も様々モデルが使えるようになると思いますが、積極的にキャッチアップして、記事を出せればよいなと思っています!
おまけ
最高性能を持つ「Opus」は確実にやってくる
これまで、Sonnet・Haikuをご紹介していました。そして、Opusがやってきます。
最後に最高の性能を持ったモデルを出すところが「演出がうまいな~」と思わされるポイントですね。
Amazon Bedrockのコンソールには何やら面白そうなユースケースが載っていました。
Opusモデルが出たら、また記事を書こうと思います。非常に楽しみですね。
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