エンジニアとして 1 年間で “10本” 社外セミナー登壇をした話
この記事はNHN テコラス Advent Calendar 2024の17日目の記事です。
はじめに
こんにちは、フクナガです。
2024 年は、非常に多くの種類のお仕事を経験させていただいたのですが、
中でも多くの時間を使ってきたのが「セミナー登壇」のお仕事です。
この1年は、様々な場所で登壇をさせていただき、会社の代表として社外登壇した件数が 10 件に上りました。
社内も合わせると 15 本以上(細かすぎるのはカウントしていません)登壇しています。
人生初の外部登壇が 2023 年の AWS Summit の企業ブース内セッションだったので、
この 1,2 年で急激にセミナー登壇の頻度が上がっています。
かなりの時間を登壇の準備や練習に費やし、様々な経験をしてきたことで
多くの気づきがありましたので、いくつかご紹介していきたいと思います!
本ブログの目的
「なぜ、外部登壇から得られた経験の話をしたいか」という話です。
結論としては、
社外登壇をすることのメリットを言語化して、社内のエンジニアの方の登壇へのモチベーションを上げたい
という理由です。
私自身登壇することは好きなのですが、私以外にも登壇ができるエンジニアを増やしていきたいと思っています。
しかし、通常業務とセミナー登壇を天秤にかけたときに「登壇したい!」となる方が少ないのも事実です。
そういった方々に向けて「セミナー登壇をすることで日常業務に役立つスキルが身につくかもしれないよ!」
というご案内がしたいということです。
なぜ外部ブログでやるの?
A:社内ブログは埋もれるから
社内ブログは、執筆のハードルが低いこともあり相当数のブログが生まれます。
そのため、基本的にほとんどのブログは埋もれます。
本当に伝えたいメッセージがあるときは仲間に伝えたい場合でも外部ブログを選択する
というポリシーでやっております。
また、本ブログで書く体験談や気づきが外部の方に対しても有益だとよいな、という願いも込めて外部ブログにしております。
2024 年の登壇一覧
公表してよいもののみをご紹介します。
- Webアプリケーションのセキュリティ最適化に!AWS WAF・AWS Shield・Amazon CloudFront活用のポイント
- 徹底解説!!AWS生成AIサービス Amazon Bedrock活用入門
- Google Cloudの生成AI(Vertex AI)で実現するセキュアな生成AI導入・活用
- Google Cloud 主催「生成 AI 相談会」
- AWSのサーバーレスアーキテクチャで実現するSaaSビジネス
- 日経クロステックNEXT 東京 2024「クラウドサービスで実現する生成AIの安全な運用とセキュリティ対策」
改めて振り返ってみると、かなりの登壇機会をいただいたなと思います。
外部登壇によって得られたスキル
1. 資料作成の力
人生初めての登壇である 2023 年 4 月の AWS Summit の企業ブース内セッションの登壇資料から、
当時の私のスキルを象徴するスライドをご紹介します。
図を使って一生懸命解説しているので「そこまで悪くないな」と思いますが、改善点は多そうです。
今の私であれば、下記を直します。
- 「CloudFrontでは、エッジコンピューティングの仕組みとして…」という一文がいらない
図を見れば明らかですし、おそらく伝えたいことの本質ではないです - 矢印が何を意味しているのかが不明瞭
処理を行う順番は書いてありますが、そもそも「何がしたいのか」がわかりません
今だったらどう変えるかについても参考までに載せます。
このスライドで、下記のような台本で話します。
Amazon CloudFront では、CloudFront Functions や Lambda@Edge を利用することで、リクエストやレスポンスへの簡易な処理を実装可能です。
ここで伝えたいのは、Amazon CloudFront にリソースをアタッチすることで簡単な処理を実装できるよ、ということなのでこの情報量で充分ですよね。
CloudFront Functions や Lambda@Edge の詳細な内容やフローを説明したい場合は、もう一枚スライドを追加して説明したほうが、聞く側に対して親切だと思います。
また、こちらは2024 年 10 月に行ったセミナーの登壇資料です。
おそらく一年後にはこれに対しても反省点が出るのでしょうが、過去の反省を生かせているかなと思います。
自分が成長を感じたポイントは下記です。
(1) プレゼンテーションの伝えたいことを明確にした資料作り
プレゼンテーションを作り始める前に大体の構成案を固めることができるようになりました。
また、「言いたいこと詰め込み系資料」からは脱することができたかなと感じています。
(2) 見た目のきれいさ
この 1 年間で様々なスライドを作ってきたので、自分の頭に思い浮かんでいるイメージを形にする術を身に着けられたと思います。
資料の作成力が上がると、「営業資料」や「社内での説明資料」などの作成スピードやクオリティが上がり、
業務上多くのメリットを享受できます。
また、話す内容を整理するスピードも上がっているため、コミュニケーションスキルも向上します。
コミュニケーションについてもお褒めいただける機会が増えてきたので、効果があったかなと感じています。
2. 伝える力
お恥ずかしいのですが、弊社のセミナーはアーカイブが上がっているセミナーが多いです。
漁ると私の昔の登壇映像なども残っているので、知りたい方は色々見てみて下さい。。。
自分が成長を感じたポイントは下記です。
(1) ものごとを整理して話す力がつく
プレゼンテーションが即興のトークと大きく違う点は「準備時間」があることです。
準備して試す、だめなら直す、を繰り返すことで「上手な伝え方」を身に着けることができます。
まだまだ発展途上ですが、始めた時と比べると圧倒的に成長したと思います。
(2) 度胸がつく
ここにきてメンタルかよ、と思った皆さん。
コミュニケーションにおいてメンタルはかなり重要です。
自信がない方は大抵早口だったり声が小さくなったりします。
それは伝わりづらさに直結しますよね?
自信がなかったら、自信がつくまで徹底的に練習をする。
これの繰り返しによって、ある程度の練習でも上手に話せるようになります。
今年の失敗談
ここまで自分を持ち上げすぎている気がするので、今年の登壇で起きた失敗談もいくつかお伝えします。
ちなみに、どの登壇かは触れません。
1. 練習と環境が違う!集中力散漫プレゼン
今年は、オンサイト登壇から社内からオンラインでお送りする登壇まで様々ありました。
特にオンサイト登壇の場合は、下記のような違いが大きくあります。
- 手持ちマイク
これは後輩にアドバイスしたのですが、あらかじめわかっている場合はペットボトルをマイク代わりにして練習したほうが良いです。 - 自分の声を返すモニタースピーカーの音量や周りの音
自分の声が聞こえているかわからないタイミングがあったりして、かなり動揺します。 - 見ている方の表情や行動
現場によっては途中退席とか全然あるので、慣れてないとまあまあつらいです。
練習と本番の環境の違いによって、私はこうなりました。
- 自分の声の返しが小さく、マイクへの角度や自分の声のボリュームに気を取られる
- 手の置き位置やジェスチャーが気になる
これによって、プレゼンテーションに集中できず、表情が硬かったり、かむ回数が多くなってしまい、
個人的にはあまり良くないプレゼンテーションになってしまったと感じています。
私は、この登壇においては下記を実施すべきだったなと感じています。
- 練習量の確保
登壇に慣れてしまったことで、あまり練習をしなくてもよいだろうと思ってしまいました。
その結果、プレゼンテーションが体になじんでいない状態だったため、小さなエラーや違和感に動揺してうまく話せなくなってしまいました。
慣れた時が一番怖いですねぇ。 - ジェスチャーやマイクを含めた「立ち」でのプレゼン練習
今回の練習はすべて「座り」のみで実施していました。
オンサイトで立ちでのプレゼンというのがわかっていたので、これも大きな反省でしたね。
どれだけ上手になっても油断せずに、完璧な準備をすることを心がけなければと思った出来事でした!
2. 何が伝えたいの!?てんこ盛りセミナー
歴代セミナーのタイトルを見るとどれのことかわかってしまうかもしれませんが、
個人的に内容やタイトル付けで失敗したなぁと思ったセミナーについてです。
セミナーは、30 分 ~ 1 時間で開催することが多いです。
しかし、「1 時間でしゃべれる文字量分、伝えたいことをすべて入れよう!」となると
非常に良くないセミナーになると思います。
サービスの魅力を伝えたいのか、お客様の悩みを解決した方法を伝えたいのかなど
伝えたいことが何かを深堀りする必要があります。
結果としてこのセミナーはあまり集客ができないセミナーになった記憶があります。
また、視聴していただいた方のアンケートでも「わかりづらい」「長い」などのフィードバックを受けました。
それ以来「 1 スライド 1 メッセージ」ならぬ「1 プレゼンテーション 1 メッセージ」を心がけて
自身のプレゼンテーションを作っています。
これは極端すぎるので場面によってはふさわしくないのですが、
このくらいの心意気でやったほうが聞き手もうれしい、という話ですね。
結果
能力を数値化することは難しいですが、圧倒的な登壇本数により得られた結果が一つあります。
それが、AWS / Google Cloud 2つのクラウドでの Top Engineer 受賞 です。
登壇をすれば Top Engineer になれる、という単純なものではありませんが、
傾向から見るとセミナー登壇は必須といえると思います。
今後も Top Engineer の名に恥じぬよう、クラウド普及に貢献していきたいです!
まとめ
本日は、エンジニアとして外部登壇をするメリットを伝えるためにブログを執筆しました!
近年では、「作業ができる」や「技術に詳しい」だけでは価値が上がっていかないことも多いのではないでしょうか。
特に、コミュニケーションスキルはかなり問われている印象です。
ここでいうコミュニケーションスキルは「いっぱい話せる」ということではなく、
相手と意思疎通をする、伝えたいことを伝える、のに必要な能力です。
準備や練習時間を確保したうえで挑戦できる「セミナー登壇」は、
トレーニングとして非常に素晴らしいなと思っています。
「本番をトレーニングとして捉えるなんて考えられない」という方もいると思います。
私としては、「本番でしか得られない経験がある」と思っています。
そういった経験をしたい方はぜひセミナー登壇に挑戦してみてください!!
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Follow @twitter2024 Japan AWS Top Engineers / Google Cloud Partner Top Engineer 2025 に選出されました! 生成 AI 多めで発信していますが、CI/CDやIaCへの関心も高いです。休日はベースを弾いてます。
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