マーケティングに学ぶプレゼントの選び方

Column

2018.12.24

Topics

こんにちは。Webマーケティングチームの中川です。
この記事はNHN テコラス Advent Calendar 2018の24日目の記事です。

今回も技術とは全く関係ないのですが、マーケティングの話について書かせていただきます。

マーケティングとはなにか?

皆さんはマーケティングとはどんなものだと思いますか?
市場調査やCMなどの広告、展示会への出展などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
どれもマーケティングを構成する一要素ではあるのですが、市場調査=マーケティングではありませんし、広告=マーケティングでもありません。

Wikipediaでは、マーケティングを以下のように説明しています。

マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。

つまり「自社が社会に対しどのような価値を提供できるのかを考えるところから、お客様に価値を知ってもらうための営業や広告宣伝活動までの全てプロセス」がマーケティングだ!ということです。

他にも「マーケティングとは?」という問に対して、様々な答えがあるのですが、私の中で一番印象に残っているのは、新卒で入社した会社で当時の上司と初対面の時に言われた「マーケティングってつまるところ恋愛と一緒なんだよね」という言葉です。当時の私はそれを聞いて「すごい部署に配属されることになってしまった(困惑)」思った記憶があります。

あれから10年近く経つのですが、今では確かに一理あるな、とは思っています。私は恥ずかしくて言えないですが。(念のため、元上司のことは今でも尊敬しています!)

マーケティング施策を実行する流れをざっくり言うと、ターゲットに自社の価値や効果を感じてもらうために、調査・分析を行い、それを元に仮説を立てて施策を立案、そして施策を実行し効果を検証し次の施策に活かす…というプロセスで進めていきます。恋愛も、相手(ターゲット)を理解し、自分自身(自社)やライバル(競合)を客観的に分析し、ターゲットに合わせたアプローチ方法を考えて(仮説・施策の立案)、実行する……やっぱり言葉にするとうわぁ…となりますが、確かに一連のプロセスに近いものを感じます。

さて、このプロセス、更に何か別のものと似ていると感じませんか?

そうです、今回のタイトルにもある「プレゼント選び」です。

プレゼントを渡す相手の好み・必要としているもの・いま流行っているものの情報を収集し、予算の範囲で購入できるものを選定し、プレゼントする……。まさにプレゼント選びは「マーケティング実行プロセスの縮図」ではないかと!

ということで、前置きが長くなりましたが、今回はマーケティングのプロセスを参考にしたプレゼント選びのススメについて解説します。

プレゼント選びの流れ

プレゼント選び、苦手と感じている方も多いのではないでしょうか?
私も以前は何を渡せばいいのか分からん…!と思うことが多く、あまり得意な方ではありませんでした。が、社会人になってから友人や同僚にプレゼントを渡す機会が増えたこと、マーケティングの知識がついてきたなど、経験と知識がついてきた結果、今ではそこまで苦に感じなくなりました。(むしろプレゼントを選ぶ時に色々な商品やサービスが知れるので良い機会だと思っています)

プレゼント選びのプロセスを、先程記載したマーケティング施策を実行する流れに当てはめると、このような流れになります。

  1. プレゼントを渡す相手のことを調査する
  2. プレゼントを選ぶ
  3. プレゼント渡し、相手の反応みて次回のための学びを得る

順を追って解説していきます。

1. プレゼントを渡す相手のことを調査する

まずは、渡す相手のことについて調査します。
プレゼントを渡す相手に対し、「何が欲しい?」と聞けるのであれば、聞いてしまうのが一番早いと思いますが、サプライズをしたい時や相手が「なんでもいいよ!」と言ったときは、相手のニーズや嗜好を引き出す必要があります。

まずは、相手について把握している情報を整理するために、書き出してみると良いでしょう。
書き出す情報としては、

  • 性別
  • 年齢
  • 家族構成
  • 居住地
  • 職業

のようなパーソナルな情報(デモグラフィックデータといいます)や、

  • 趣味・嗜好・特技
  • 会話した内容で印象に残っているもの

のような、嗜好や行動の情報などを書き出すと良いと思います。

例:

  • 性別:女性
  • 年齢:20代後半
  • 家族構成:夫と二人暮らし
  • 居住地:都内(賃貸)
  • 職業:Webディレクター
  • 趣味・嗜好・特技:ワイン、ジャズ、海外ドラマ
  • 会話した内容で印象に残っているもの:毎週末必ずワインをボトル1本空ける

これだけでも、プレゼントの候補が見つかりそうですね。

ちなみにマーケティングにおいては、このようなお客様の像(ペルソナ)やニーズや属性ごとのグループ(セグメント)を作って、その方々に向けて施策を打っていくのがセオリーです。

2.プレゼントを選ぶ

ターゲットの整理が出来たら実際にプレゼントを選んでいきます。

ここで最初に考えるべきことは予算です。予算は、自分がどのぐらい出せるか?はもちろんのこと、費用対効果も重要な指標です。
プレゼント選びの場合の効果は「相手に喜んでもらうこと」や「相手との関係性が良好な状態を継続すること」など様々だと思いますが、一つ言えるのは、費用と効果は必ずしも比例するとは限らないということです。

例えば、ちょっとしたプロジェクトが終わった後に、上司から労いの意味を込めて10万円分の旅行券を渡されても、貰った側としては恐縮するのではないでしょうか?費用は掛かっていますが、相手に喜んでもらうことを目的としている場合、効果はイマイチと言えます。(中には手放しに喜ぶ方もいると思うので、そこは相手次第ですが)
上記は極端な例ではありますが、相手との関係性や渡す目的から適切な金額を設定するようにしましょう。

この予算設定についても、マーケティング施策を実施する上では非常に重要です。予算も人も潤沢にある場合は思いつくことを全てやれば良いのですが、現実的ではありません。
自社の現在~中長期的な方針、市場などを鑑みて、何にどれだけのリソースをかけるか選択する必要があります。

また、渡すものについては、相手の趣味嗜好が把握できている場合、それにそってプレゼントを選びましょう。収集した情報を元に思考を発散させることが重要です。

例:

  • ワイン好き
    • 本人が好きと言っていたワイン(失敗したくない時は良いがサプライズ性は薄れる)
    • ワインの飲み比べセット(細かい好みまで把握できていない時におすすめ)
  • 夫と都内二人暮らし
    • 二人で行ける都内のレストランのお食事券(休日に少しの交通費で行ける範囲で)
    • 二人で食べられる量のご当地グルメギフト(都内では入手しにくい美味しいもの)

細かい調査が行えず、相手の趣味・嗜好をあまり詳しく分からない場合は、先程のデモグラフィックデータを元に分類を定めて調査することも一つの手です。
上記の例であれば、「20代後半の子供がいない既婚女性」という分類に分けられると思うので、それを元にネットで情報収集したり、近い属性の方に意見を求めたりすると良いでしょう。

思考を発散させた後は、予算や渡す期日までに手配ができるかなどを元にプレゼントを決定します。
自信がない時は、周囲の人に候補の中からどれが良いか意見を求めるのもおすすめです。

3. プレゼント渡し、相手の反応みて次回のための学びを得る

プレゼントの用意ができたら、実際に渡しましょう。喜んでもらえたら良し。たとえ微妙な反応だったとしても後悔する必要はありません。なぜなら失敗にこそ学べるポイントがたくさんあるからです。
失敗を単純に「相手の好みのものでなかった」と片付けることは簡単ですが、好みのものでなかったということは、調査が不十分であったり、調査した結果と購入したプレゼントの関連性が低かったり、相手ではなく自分の好みを大きく反映しすぎていたりなど、様々な要因が考えられます。
多くの場合、プレゼントを渡す機会は人生に一度きりということはないと思うので、失敗の教訓を次に繋げる意識が重要です。

マーケティング施策においても、このように実行したことの振り返りと結果を次にどう繋げるのかを意識して、PDCAサイクルを回し続けることが大切なのです。

まとめ

いかがでしたか?このようにマーケティングって意外と身近なことにも応用ができるんです!

ネタ的にクリスマスイブにプレゼント選びの話ってちょっと遅いよ!と思うかもしれませんが、プレゼントを渡す機会はクリスマスや誕生日に限らず、同僚の転勤・退職、友達や親戚の結婚・出産祝いなどたくさんあると思います。
ついつい「何を買うか」というところに意識を持っていきがちですが、あくまで目的は渡す相手があってのことだと思います。目的を見失わないように、要所要所で目的を再確認するようにしましょう!

次に渡すプレゼントは絶対に外したくない!と思っている方、プレゼント選び苦手だなぁと思っている方こそ、こんな考え方もあるんだと知ってもらえると幸いです。

今回はプレゼント選びということに焦点を絞ったので、マーケティングの全体像というより、マーケティング施策を実行することに話が寄っています。
本来、マーケティングが担う領域は、冒頭でも記載したように「自社が社会に対しどのような価値を提供できるのかを考えるところから、お客様に価値を知ってもらうための営業や広告宣伝活動までの全てプロセス」と、かなりの広範囲に及ぶものです。
まだまだ修行中のマーケターではありますが、実際に業務として行う範囲はごく一部だとしても、上記のような大きな流れの中の一つということを忘れずに、物事と向き合いたいと思う今日この頃です。

nakagawa

マーケティングチーム所属のマーケター兼ディレクターです。AWS活用支援サービスである「C-Chorus」を中心にWebサイトの企画・運営を担当しています。趣味は読書とゴルフ(ベスト98)です。

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