Amazon EC2の自動割り当てされたパブリック IPv4 アドレスの動的削除と追加がサポートされました

AWS

2024.6.5

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概要

EC2 には、「パブリック IP の自動割り当て」という機能があります。
これを有効化することにより、EC2 に自動的にパブリック IP アドレスが割り当てられます。

この機能は、EC2 構築時に有効 or 無効 に設定するとあとから変更が不可能でした。
それが今回のアップデートにより、構築したあとからでも削除と追加が可能になりました。

Amazon VPC は、EC2 インスタンス上で自動割り当てされたパブリック IPv4 アドレスを動的に削除および追加するためのネットワーク インターフェイス設定を発表します。この機能を使用すると、EC2 インスタンスで自動割り当てのパブリック IPv4 アドレスが必要なくなったお客様は、ネットワーク インターフェイスのパブリック IP 設定を変更することで、パブリック IPv4 アドレスを削除し、必要に応じて新しいパブリック IPv4 アドレスを再度接続することができます。
AWS は、自動割り当てされたパブリック IPv4 アドレスの動的削除と追加をサポートしています

この機能追加は、嬉しい人が多いと思いますので、使ってみたいと思います。

パブリック IP の自動割り当て機能

もう少しだけ、「パブリック IP の自動割り当て機能」について記載いたします。

意外と知らないうちに有効化されており、EC2 にパブリック IP が付与されているケースもありますので、不要な場合は今回アップデートされた機能を使って設定を削除しましょう。

デフォルトの VPC でインスタンスを起動すると、デフォルトでパブリック IP アドレスが割り当てられます。デフォルト以外の VPC でインスタンスを起動するとき、サブネットには、そのサブネットで起動するインスタンスがパブリック IPv4 アドレスプールからパブリック IP アドレスを受け取るかどうかを決定する属性があります。デフォルトでは、デフォルト以外のサブネットで起動されたインスタンスにパブリック IP アドレスを割り当てません。
Amazon EC2 インスタンスの IP アドレス指定 – Amazon Elastic Compute Cloud

「パブリック IP の自動割り当て」で割り当てられた IP は以下のシナリオで変更されます。

  • 停止または休止状態のインスタンスは、再起動時に新しいパブリック IP アドレスを受け取ります。
  • インスタンスに関連付けられた Elastic IP アドレスがインスタンスから切り離されると、そのインスタンスは新しいパブリック IP アドレスを受け取ります。

EC2 インスタンスに関連付けられているパブリック IP アドレスまたは Elastic IP アドレスを復元する | AWS re:Post

そのため、永続的なパブリック IP アドレスが必要な場合は、Elastic IP アドレスをご検討ください。

パブリック IP の料金

2024 年 2 月 1 日より、AWS のすべてのパブリック IPv4 アドレスの利用に対して 1 IP アドレスあたり 0.005 USD/時間 が課金されています。

新着情報 – パブリック IPv4 アドレスの利用に対する新しい料金体系を発表 / Amazon VPC IP Address Manager が Public IP Insights の提供を開始 | Amazon Web Services ブログ

この影響で、不要なパブリック IP を削除を試みている方も多いかと思います。
そういった方にうってつけのアップデートと言えるでしょう。

パブリック IP の削除と追加をやってみた

はじめに、自動割り当てを有効化したインスタンスを起動して削除ができるかを試します。
その後、再度追加ができるかを確認します。

EC2 インスタンスの構築

ネットワーク設定で「パブリック IP の自動割り当て」を有効化しておきます。

EC2構築時の自動割り当ての設定

EC2 が起動したあと、インスタンスの概要から割り当てられた IP を確認することができます。

自動的に割り当てられたパブリックIP

これで準備ができたので、まずは削除します。

パブリック IP の削除

該当インスタンスを選択して、「アクション → ネットワーキング →IP アドレスの管理」と選択します。

アクション→ネットワーキング→IPアドレスの管理と選択

eth0 を展開すると割り当てられた IP の情報が表示されます。
その下の、「Auto-assign public IP」のチェックを外します。

Auto-assign public IPのチェックを外します

設定を保存します。

設定を保存

するとすぐにパブリック IP の割り当てが解除されます。

パブリックIPがなくなっていることを確認

ブラウザ上部にも正常に完了したメッセージが表示されています。

ブラウザ上部にも正常に完了したメッセージ

パブリック IP の追加

では、続いてはパブリック IP の追加をやっていきます。
手順は先程と同じです。

今後は、「Auto-assign public IP」のチェックをつけます。

「Auto-assign public IP」のチェックをつけます

先ほどと、同じように設定を確認して実行します。

設定内容の確認

無事に、パブリック IP が割り当てられています。

パブリックIPが割り当てられている

まとめ

以前も、割り当てを解除することはできましたが、インスタンスの作り直しが発生して手間が多かったです。
しかし、今回のアップデートにより、簡単に設定変更することが可能になりました。

ただし、本手順のようにパブリック IP を削除する場合は、その IP との通信は行えなくため、事前に動作確認や通信状態の把握は行ったほうが良さそうです。

インスタンス上のパブリック IPv4 アドレスが解放された場合、インスタンスに複数のネットワーク インターフェイスが接続されている場合、新しいアドレスは受信されません。パブリック IPv4 アドレスの動作の詳細については、「パブリック IPv4 アドレス」を参照してください。
Elastic Network Interface – Amazon Elastic Compute Cloud

参考資料

Amazon EC2 インスタンスの IP アドレス指定 – Amazon Elastic Compute Cloud
インスタンス起動時のパブリック IPv4 アドレスの割り当て

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Cold-Airflow

2021年新卒入社。インフラエンジニアです。RDBが三度の飯より好きです。 主にデータベースやAWSのサーバレスについて書く予定です。あと寒いのは苦手です。

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