週5出社になってから2年が経ったので振り返ってみる

コラム

2025.12.11

Topics

この記事はNHN テコラス Advent Calendar 2025 の 11 日目の記事です。

はじめに

こんにちは、フクナガです。
NHN テコラスは、コロナの影響によるフルリモートでの勤務から、2 年前に完全フル出社に切り替わりました。
私は、フルリモート前提で弊社にジョインしたこともあり、色々考える部分もありましたが、なんだかんだ出社に切り替わってから 2 年間弊社で働き続けています!

一般的な日本企業より一足先にリモートから出社への回帰となった NHN テコラスで働いていく中で感じたことなどを超個人的な視点から書いていきたいと思います!

本題に入る前に

こういった記事を書くと、場合によっては「企業の宣伝かな?」「出社したほうが効率が。。みたいな話をされるのかな?」と思う方もいると思いますので、本題に入る前に過度な期待や予想を与えないよう前提や想定などを書いていきます!

この記事で書くこと

この記事では先述した通り「超個人的な視点」の意見を書いていきます。
具体的には、フル出社に変わった会社でその転換を味わった 1 社員の立場で、良かったことや悪かったこと、大変だったこと、発見などをお伝えできるとよいと思っています。

逆に、「リモートと対比した効率性」や「マネジメントコスト」の話など、会社側の視点は今回は一切省いて書こうと思います!
(そういったことを知りたいという目的で本記事にたどり着いた皆様ごめんなさい!)

想定読者

① 自身が勤めている会社が出社回帰になり、困惑している方

平たく言うと、「2年前の自分」に宛てて書いているイメージです!
ここに当てはまる方は、「仕事変えようかな」とか「自分がこのまま働けるか不安だな」と思っている方が多いと思いますので、そういった方が大きな決断をする前に参考になるような記事を目指して執筆します。

② 次のキャリアの選択肢で「フル出社」と「リモート可 or フルリモート」で迷っている方

転職はあくまで「どういう仕事がしたいか」で決めていくのが理想だと思いますが、人によっては「この会社めちゃくちゃ良いんだけど、フル出社か、ちょっと迷うなぁ。」という方もいらっしゃるかもしれません。
私がフル出社の会社に勤めているのもあり、どうしても「フル出社大丈夫だよ!」という方向に話が進んでいきそうですが、可能な限りフラットに書いていきます!

出社回帰前に思っていたこと

正直ベースですが、出社回帰前に私が思っていたことはほぼネガティブなことだったと記憶しています。
思い出しながら列挙していきたいと思います。

  • 出勤の時間がもったいない
  • 家の方が設備が整っていて、作業効率が高いに決まっている
  • 周りに人がいると集中できない
  • コミュニケーションは Slack 中心であるため、出社による大した効果は期待できない

上記は、割とリモート勤務をする方が抱く不安と共通している部分が多いのではないでしょうか?
先に言っておきますが、フル出社になったけど上記の心配は一つもいりませんでした!という記事にはなりません!それこそステルスマーケティングみたいになってしまうし、それだと私が発信する意味がなくなってしまいます。(ここで書くことでこの記事を書き進める未来の私に牽制しています)

勤務体系がどう変わったのか?

フル出社にもいろいろあると思いますので、弊社のフル出社について概要を記載します。

  • 11:00 ~ 15:00 がコアタイムのフレックスタイム制
  • オフィスは虎ノ門駅から徒歩5分

私のスケジュール

9:30 ~ 10:30 通勤
10:30 ~ 19:00 勤務
19:00 ~ 20:00 帰宅

私は、フレックスタイム制を利用し、10:30 から 11:00 の間くらいに出社することが多いです。

実際に出社回帰して、感じたこと

良かったこと

1. 意外と慣れる

あれだけ出社回帰をネガティブに感じていて、もはや「週 5 で出社なんてできるわけがない」と思っていたのに、意外にも 1 ~ 2 週間くらいでフル出社生活に慣れました。
出社が始まって 1 か月くらいしたころに「あれ?週 5 日出社、全然できるじゃん」と思ったことを今でも覚えています。
よく考えると、そもそもわたしたちは子供のころから週 5 で学校に通っていたし(しかも今より圧倒的早起き)、土日は部活をしていた人も少なくないと思います。私もそういった生活をしていた学生だったので、この生活自体を「当たり前」に変える能力自体は備わっていたのかなと思います。
ただ、これは個人の体力や事情によりますので、決して無理はしないでください!

2. 人の顔色を物理的に伺えるのはけっこう大事

前提としてお伝えしたいのが「フル出社でもコミュニケーションの中心はテキストコミュニケーションである。」ということです。対面での会話は相手の時間を奪ってしまうし、非同期でコミュニケーションが成立するのであれば、それが最も効率的だと思います。
そういった前提の上で、フル出社にすることのメリットは「対面で会話する選択肢が生まれる」という解釈を私はしています。

相手とどういった意思疎通を図りたいのかによって、適したコミュニケーションの方法は変わります。業務上の連絡や指示であれば、形に残るテキスト形式が望ましいと思います。ただ、感情に配慮が必要なケースも多くあると思います。

例えば、同僚や後輩社員へ指摘や注意をする場合などです。受けている相手の表情から理解度や感情を読み取りやすくなりますし、センシティブな内容だからこそ絶対に自分の伝えたい意図と違う形で伝わることを避けたいというのがあります。

また、感謝を伝える場面や急ぎの仕事で無理をさせてしまう場面も対面でのコミュニケーションを選ぶケースが多いです。

逆に対面のコミュニケーションが苦手という方もいると思いますので、これをメリットに感じるかは人によりますが、私の場合は圧倒的に対面でのコミュニケーションの経験の方が多いので、非常にメリットに感じています。

3. 大変そうな人がわかる

「大変そう」にも色々な種類があると思います。
「トラブルが起きてパニックになっている」「仕事が多すぎてめちゃくちゃ残業している」「シンプルに元気がない」など、仕事をしていれば様々な状況に出くわすと思います。
それを物理的に見れることで、自然と助け合いや声がけが生まれたな、という印象があります。
(私も助けてもらったことが何度もあります)

逆に「今話しかけられそう。」というのも読み取りやすいため、相談しやすい雰囲気があるような気がします。

4. 物理的に一緒の場所にいないと生まれない会話がある

出社に変わってから若手からベテランまで本当に多くの方と関わる機会が増えたと思います。
日常で言えば、「エレベーターで一緒になった」とか「お昼ご飯を一緒に食べた」とかそんな場面が多くあります。
私は煙草を吸わないのでわかりませんが、喫煙所でコミュニケーションを取る、とかもあるみたいですね。

また、近くのエンジニアが面白そうなことをしてたら「それなにしてるの?」みたいに聞けるのも良さの 1 つかなと思います。(話しかけるタイミングは見計らっていますが。。。)
私の隣の席には、今年テックブログをたくさん書いている Top Engineer の辻さんがいるので、よく技術関連の雑談をしています。というか色々なことを教えてもらってます。技術力が優れたエンジニアとの雑談は知見を広げるのに本当に役立つと考えており、そこに出社のメリットを感じています。

そんな辻さんのテックブログページはこちら!!
Tech Blog > Cold-Airflow

やはりリモートの方が良いな、と思ったこと

1. 真夏と真冬の通勤はやっぱりきつい

出社の最も大きなデメリットは「通勤」だと思いますが、包み隠さず言うとこれはしんどいです。
特に真夏は通勤だけで汗だくですし、真冬はめちゃくちゃ寒いです。(当たり前すぎてすみません。)

NHN テコラスのオフィスである NHN アトリエは虎ノ門、虎ノ門ヒルズ駅から行くと外を歩く時間は 3 分程度なのですが、それでも非常に疲れを感じます。

全く運動をしない私は通勤によって最低限の運動量を確保している気がしますが、たまに「毎日の通勤はつらいなぁ」と思います。

2. 人に見られながらではやりづらい類の仕事もある

人に見られながらやりたくない仕事、っていうのもある程度はあると思います。
私の中では、下記の 3 つがやりづらいなと思っています。

  • 評価
    自己評価の場合は、自分のいいところや出した結果を遠慮せずに書く必要があるため、それを見られるのはちょっと恥ずかしいなと感じます。また、NHN テコラスでは同僚評価なども取り入れているので、他の方の評価やその方へのコメントを書く必要があるのですが、それは見られると支障があるので作業するタイミングや場所はすごく困るなと思います。

  • 一部のミーティング
    管理職メンバーのみが参加するミーティングやセンシティブな内容を扱うミーティングも存在します。参加メンバーが多いと、Web ミーティングで実施されるケースもあるのですが、その際は自席で参加してよいのか、と迷うこともあります。

  • 記事執筆や登壇などのアウトプットに向けた準備
    直接的に利益に繋がる仕事ではないものを執務室で人に見られながらやるのはやはり抵抗感があります。NHN テコラスの先輩やマネージャー陣は「自分たちにできない仕事をやってくれている」という理解を示してくれるので、そういった仕事をしていても印象が悪くならないような空気感ではあるのですが、自分で勝手に「やりづらいな」と思ってしまう部分はあります。

3. 独り言を言いづらい

これは結構なエンジニアの方に共感いただけるのかなと思うのですが、取り扱う課題や事象が複雑であればあるほど、口に出しながら整理して解決策を検討したいときってありますよね?
私は、めちゃくちゃ独り言が多い方なのでこれができないのはつらいなぁと思うときがあります。
限界を超えると小さい声で独り言を言いながら仕事をするときもあるのですが。。。

4. 周りの声が気になる

自席で Web ミーティングに出る方もいますし、会話する方もいますので、それによって集中できない瞬間はあります。
それを回避するためにイヤホンをして仕事をすることもあるのですが、そもそもそういったことはリモートだと起きえない、という部分はあると思います。

とはいえ、自宅の中に職場と同様の緊張感を感じられる空間や集中できる環境を作ることも難しいと思います。

出社回帰を生かすために私たちがやっていること

出社になる、ということは全社方針で私たちが変えられることではないため、思考を変えて「どうやったら出社でよかったと思える環境を作れるか」というのにこの 2 年間取り組んできました。

その中で始めたことの 1 つに「もくもく会」があります。

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上記は形や建付けを変えて今でも続いていて、今は「もくもくと自習をする場」「エンジニアに相談したい方がくる場(試験勉強とか仕事とか)」として毎週金曜日に開催しています。

もちろんオンラインでももくもく会はできますが、物理で集まる方が相談や会話は生まれやすいのかなと思います!

また、エンジニアでの勉強会などを物理開催することにもチャレンジしています!

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オンラインだと虚無に向かって話す感があって相手のリアクションとかがわかりづらいと思うのですが、相手の顔が見えると話し手視点だとリアクションがわかりますし、参加者視点だと話し手にリアクションを伝えることができて、とても良いなと感じています。

また、会社として物理での交流イベントを開催する回数が圧倒的に増えました!

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上記の他にも、部署間の交流イベントを開催してみたり、Tech Blog の表彰式をやってみたり、食事なども出しながら 1F CAFE スペースで様々なオンサイトイベントを実施させていただいています。

毎日出社勤務を支える NHN テコラスの制度

「結局宣伝するんかい!」と思う方もいらっしゃると思いますが、「どういう制度がある会社を選ぶと出社でも働き続けられるのか」という視点で必要な内容だと思いますのでここはお伝えさせていただきたいです!

1. フレックスタイム制

前半でもお伝えしましたが、NHN テコラスでは 11:00 ~ 15:00 のコアタイムを設けたフレックスタイム制をとっています。
通勤の時間を考慮すると勤務開始の2時間前には起きる必要があると思いますので、いきなり「毎朝 9 時出社にします!」と言われていたらさすがにきつかったのではないかなと思います。
(新卒時代は毎朝 8:30 に通勤していましたが。。)

このフレックスタイム制は本当にありがたくて、私の中では一番重宝している制度です。

2. 弁当支給

NHN テコラスでは、お昼に弁当の配布があります。
今お昼で外食しようと思うと 1000 円程度かかってしまいますし、コンビニ弁当も 600 ~ 800 円くらいはかかるのではないでしょうか。
食費節約のために弁当を毎日作るというのもなかなかにしんどいので、弁当が支給されるのは本当に助かっています。

会社によっては食費が支給されたり、社食で安く食べれたりなど色々な制度があると思いますので、こういった生活を支える制度については入社する会社を決める前に確実に確認することをおすすめします!

3. モニターやディスプレイの支給

業務に利用するモニターやディスプレイを申請ベースで社員に貸与しています。必要に応じて 2 ~ 3 つほどディスプレイを使っている方もいたりなど、自分のスタイルに合わせたデスク環境を整えることができていそうです。

4. 各自に固定席がある

フリーアドレスなどの制度を提供している企業もありますが、NHN テコラスは自席が固定されています。気分に合わせて場所を変えられるのも悪くなさそうですが、自席が固定されていることでカスタマイズしながら利用しやすくなります。
Web ミーティング用にカメラやマイクを設置したり、好きなキーボードやマウスを利用するなど、自身が仕事をやりやすい環境を実現できます。

もちろん、自宅環境よりは融通が利きませんが、個人的には十分な自由さが与えられているなと感じています。

入社時の面接などでは、デスク環境などを面接官の方に聞いてみるのは大事かもしれません。

最後に

この記事では、「エンジニアの働き方」というテーマで出社回帰についてお話ししました。
出社・リモートそれぞれメリット・デメリットがあり、これからはそれを自分のライフスタイル、仕事のやり方に合わせて選択していく必要があります。

皆様のキャリア選択の際に、この記事が少しでも役立てば非常にうれしいです。

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フクナガ

2025 Japan AWS Ambassadors / Google Cloud Partner Top Engineer 2026 / Google Cloud Partner Top Engineer 2025 / 2024 Japan AWS Top Engineers 選出されました! 生成 AI 多めで発信していますが、CI/CDやIaCへの関心も高いです。休日はベースを弾いてます。

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