AWS Summit Tokyo 2018 レポート/【ドトールコーヒー様ご登壇事例】ドトールコーヒーが AWS 採用を決断した理由と未来への挑戦

AWS

2018.6.6

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こんにちは。NHN テコラス Webマーケティングチームです。
本記事では、AWS Summit Tokyo 2018 5月31日の事例セッション「【ドトールコーヒー様ご登壇事例】ドトールコーヒーが AWS 採用を決断した理由と未来への挑戦」についてレポートします。

セッション紹介と登壇者

湯浅 健二
株式会社ドトールコーヒー 管理統括本部 システム部長
田代 和彦
株式会社ドトールコーヒー 管理統括本部 システム部 インフラ設計構築マネージャー
社内システムのクラウド活用に向けて方針を検討し、進めている中で、オンプレで稼働中の統合データベース基盤である Oracle Exadata にサポート終了が迫っていた。クラウド移行か、オンプレを継続するか、社内で意見は拮抗していたが、オンプレに意見は傾きつつあった状況から、AWS を決断した理由は何だったのか。そして移行をどのように進めたのかをその苦労話も含めてご紹介するとともに、今考える自社にとって最適な統合データベース とは何か。当社の AWS への挑戦とその経緯をテーマにお話しします。
引用元:AWS Summit Tokyo 2018 セッション一覧

セッション内容

2013年、ドトールコーヒー様は、データの集計を高速化させる目的で、Oracle Exadataを本稼働開始。
その5年後、Oracle Exadataのサポート保守が終了してしまうタイミングで、オンプレミス継続か、クラウド移行を検討開始されたとのことです。
Oracle Exadataの更改の要件として

  • コスト重視、ついで運用管理の容易さ
  • 提案内容にオンプレミス・クラウドは問わず

という条件で数社に提案をもらったが、提案内容はすべてオンプレミス。
社内的にはオンプレミスの継続に意見が傾きかけていたが、オンプレミスで進めた場合、

  • ハードウェアのライフサイクルの縛りがあること
  • 性能向上・機能拡張には時間が必要であるため全体最適が鈍化すること
  • 何よりオンプレミスの継続は挑戦がないこと

などを踏まえて、AWS移行を決断されたとのことです。
PoCから移行完了までは、以下のように実施されました。

  • PoCの実施
    • 検討・準備事項:性能評価、ネットワーク、システム構成、見積もり発注、社内稟議、テストデータ、コスト試算、改修規模、データ容量
    • オンプレミスだと3ヶ月かかるところを、4週間でPoCの準備ができた
  • PoCのねらい
    • 全員のコンセンサスを得ること
    • そのためには不安の解消が必要不可欠
  • 不安な点
    • Oracle Exadata性能は落とせない
      • 重要な処理をピックアップし確認する
    • アプリケーションの改修規模
      • Redshiftも検討したが、アプリ改修を最小限におさえるためにOracle On EC2へ
    • コスト
      • インフラのコストは現行と同等程度
  • AWSの環境準備
    • 現在利用しているデータセンターとAWSをインターネットVPNで接続
    • AWS側にはOracle on EC2とバッチサーバ用意
    • PoCをやると決めてから約3週間でネットワーク開通
  • テストデータの用意
    • 通常運用のバックアップデータを利用
    • データの移行は、AWS Sonwballを利用した
    • スノーボールの貸出からデータをS3に入れるまで1ヶ月ほどかかった
  • PoCを行った結果
    • 良好な結果が得られたため、本格的な移行へ
  • RFPを提出し協業ベンダーを決定する
    • インフラ整備、検証/チューニング、本番移行を協業ベンダーと協力して進めることに
  • 移行のスケジュール
    • 2017年9月にスタート、2018年4月に完全リリース
  • 容易なデプロイ
    • 専用線を引いてから本番環境を構築
    • PoC時に作成したものを、そのままデプロイして本番環境を構築したため、非常に便利だった
  • 各システムからのレスポンス確認
    • 機能一覧、検証重要度を決めて重要度順に検証・チューニングを実施する
  • 負荷テスト
    • プログラムを作成し、テストを実施する
  • 移行実施時の課題
    • 店舗への影響を最小限に留めるため、システム停止時間をなるべく短くしたい
    • バックアップからのリストアは時間がかかりすぎる
    • 代替案としてAWS Database Migration Serviceを検討するも、NGだった
  • 課題の解決方法
    • 移行後すぐ必要なデータ、事前事後で良いデータを分類して、移行時間を短縮を図った
    • 店舗に迷惑を掛けることはなく、順調に移行が完了した

移行の効果としては、いままで運用してきたデータベースやシステムなどについて、整理できていなかったことが整理でき、チームでこだわりを出しながら移行プロジェクトを進めることができたとのことでした。
また、4月の本番リリースから、今のところまだ障害はでていないとのことです。
ドトールコーヒー様は今回のAWS導入を機に、今後はRedShiftを使ったデータのさらなる有効活用やデータベース以外のオンプレミス環境で稼働しているシステムの移行、仮想デスクトップの導入などに取り組まれていくとのことでした。

まとめ

オンプレミスからAWSへのデータベース移行について、社内での検討事項から検証、移行実施時までを分かりやすく解説いただきました。
現在オンプレミス環境でDB基盤を運用していて、次の保守切れのタイミングで移行を検討している方などにおすすめの内容でした。

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編集部

AWSを中心としたクラウドインフラやオンプレミス、ビッグデータ、機械学習などの技術ネタを中心にご紹介します。

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