「ちょっと知ってる営業」が語る、AWSの地味なアップデートが「一番怖い」という話
おおさか(大阪)のおおさか(逢坂)です。NHNテコラスの大阪オフィスでAWSを中心にクラウドや運用サービスの営業をやっております。
この投稿はクラウド営業 Advent Calendar 2018の24日目分の記事です。
クリスマス・イブですねぇ。皆さんのお家にサンタさんは無事到着しそうでしょうか?ちなみに、うちの2歳の娘は、自分の誕生日が12/27であり、それがクリスマスとお正月の間であり、「まとめられてしまう」危険性があることにまだ気付いてはいません。
初回訪問ってなんだかんだ言って緊張しますよね?
営業活動をする上でなんだかんだでいつも緊張するのが初回の訪問じゃないでしょうか。初回の訪問では、求めていること、知識の範囲、興味の範囲、性格などの前知識がない初対面の方と30分〜1時間程度お話をします。いろんな営業スタイルの方がいますが、そんな中でも共通しているのは「次につながる何か」を置いて帰って来るというミッションを背負っていることだと思います。話が盛り上がらずに、ものの15分程度で沈黙が生まれてしまい、早々に退散するケースもあったりもしますが… このミッションさえクリアできていれば、滞在時間の長さはそこまで重要ではないとも言えるでしょう。「次につながる何か」は、「案件」だともちろんベストですが、そういうケースは稀で、「こういう時はこの人に相談しよう」だったり、もっと言うと「もう一回会ってもいいかな?」でもよかったりします。いやぁ、それでも結構苦労しますよね…。
「話をよく聞く」と「その場で打ち返す」
私が特に初回訪問で重視しているポイントは2つ。1つ目は「相手の話をよく聞くこと」。とにかく「聞き手にまわる」ことに重点を置きすぎて、自社サービスの紹介をろくにせずに帰ってきてしまうこともよくありますが、営業を始めて最初のころに相手の課題をしっかり把握せずに自社サービスの紹介に終始してしまって、ちぐはぐな会話になってしまったことが多々あったので、これは心がけています。
2つ目は相手の質問を極力その場で打ち返すことです。相手に「よく知っているから、また相談したい」という信頼感を持ってもらうためというのはもちろんですが、案件化を早めたり、さらに案件化後のトラブルの可能性を抑制するという効果もあったりすると思っています。
地味なアップデートが「一番怖い」
ところが、この「極力その場で打ち返す」を継続する上で難しいのが、情報の「正確性」を維持し続けること。そう、「ちょっと知っている営業」であり続けるには、AWSの地味なアップデートが「一番怖い」のです。少しでも油断して知った気になって「極力その場で打ち返す」をしていると、知らない間に正確性を欠いた情報を話してしまっている、「ウソ」をついてしまうことがあるからです。
例えば、「ちょっと知っている」私がついちゃったことのある「ウソ」はこんな感じ。
- ALBではhttp → httpsのリダイレクトはできない
- 証明書使うならALBはドメインの数だけ立てないといけない
- バージョンファイルが溜まり続けちゃうからS3のバージョニングは有効にしない方がいい
- スクリプトを書かないとスケジュールでスナップショットは取れない
- スクリプトを書かないとCloudWatchはメモリ使用率とかディスク使用率は取れない
- SQSはFIFOじゃない
- EC2にはブラウザからOSをCLI操作できる機能はない
- CloudWatchLogsにログを集めてるだけじゃ、いざという時に検索し辛い
今、これ全部できるようになっちゃってます…「怖い」ですよねAWS…
後半はここ一年以内のアップデートですが、前半なんかは最近気づいた1年以上前のアップデートで、こういうのは一度見逃すと気づくのがだいぶ遅れてしまいます。
新サービスはどこまで追っかける?
画期的な新サービスが発表されるとクラウド営業をやっていれば嫌でも情報は入ってきます。新サービスのリリース直後はオフライン・オンラインでセミナーやハンズオンが開催されたりするので極力参加したり、参加できなかったとしても「例の新サービスを触る」をTODOに入れておいて、時間をみつけてしっかり調べたりします。調べるときには、そのサービスが生まれた前提になっている課題や、「できること・得意なことだけじゃなく、できないこと・得意じゃないこと」を知ることにフォーカスして調べます。コミュニティ界隈でも話題になっているので、いきなり実践導入しようとしているツワモノから「ここが便利」とか「ここが使えない」とか、実運用の観点からの見解とかも仕入れたりします。
ここまですれば、新サービスについてある程度お客さんに噛み砕いて説明することもできるようになっているし、「あのサービスはちょっとまだ実運用では使えないですね」とか言ってみたりもできるようになっています。が、ここから積み上げられている「地味」なアップデートを追いかけ続けていないと痛い目を見てしまうのです。
知った気になっちゃいがちなケース
特に、「過去に提案を書く時にガッツリ仕様を調べた」「提案後に仕様がはまらないことがわかって痛い目をみた」「自分のプロジェクトでエンジニアが苦労していた」などの慣れ親しんだサービスのアップデートとほど、知った気になってしまっているので注意が必要だったりします。最近は、CloudWatchとSystem Manager周辺から目が離せません…
なので、最近は「極力その場で打ち返」しながら、「あ、この機能最近追いかけてない…」と思うと、「私の知っている限りでは…」とか留保をつけるようにしています。自分のこだわりよりも、お客さんに正確な情報を伝えるほうが大事ですよね…w
対策って…?
「地味」なアップデートを効率的にヌケモレなくキャッチアップする方法は編み出せていなくて、定期的にアップデートを追いかけることと、「私の知っている限りでは…」しか対策が思いつかないです…w
そんな中で心がけていることはこんな感じでしょうか。
- よくある構成でも提案書のコピペに終わらずに極力調べ直す
- 提案したことある構成であれば、より細かい機能と顧客要件をマッチさせた提案にする
- できる限り新サービスを提案に盛り込んで、「実運用で使えるか」を自分なりに検証してみる
ま、ここまで書いておきながらですが、「知らないこと」を怖がらずに、「新しいことを知ること」をお客さんと一緒に楽しむのが、一番の対策だったりするかもしれませんね。「一番怖い」地味なアップデートが継続されることこそAWSの素晴らしいところだったりするわけなので。
世のクラウド営業の皆さんは、AWSのアップデートのキャッチアップ対策どうしているんでしょうか?今年JAWS-UG Salesという、営業を主体としたAWSのユーザーコミュニティが立ち上がって、その運営に携わっているのですが、一度こういう話題にも触れてみたいなと思っています。
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