体育会文系プログラマの1年目

Column

2016.3.25

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こんにちは。NHNテコラス株式会社技術本部EC開発室の岸本です。社会人1年目、文系大学体育会出身の私がこの度、筆を取らせていただく事になりました。
就職活動、あるいはその前後の日々には、多様な思いが渦巻いているものです。自分の一生を左右するかもしれない決断を迫られるのだから、それもまた自然な状態といえるかもしれません。
その思いが不安なのか希望なのか、どちらにしても、多くの情報が交錯する現代社会で新卒プログラマを目指す方にとって、この記事が何かのヒントになったならこれほど嬉しい事はありません。

ダンベルからキーボードへ

私は学生時代、「スポーツ1本でやってきました」と、言い切れるほどのトップアスリートではありませんでした。かつての同期は全日本級の大会で10回近く優勝している中、私は幸運に恵まれてのたった1度きり。学業の方は15歳から棚に上げたまま手をつけていませんでした。
そんな私が就職活動の時期を迎えたとき、自分のセールスポイントを体力から知力に変えなければならないと痛感しました。私の身体能力は紛れも無くまったく需要がなかったからです。
プログラマという職業は私にとって知力の象徴のような職業であり、広く業界として見た場合にも選択するに足る成長性を孕んでいます。それに、特に実力主義的な業界ですから、スポーツに通じる部分が多くあって、自分はどこまで高みにいけるだろうか、という根っからの負けず嫌い性分から「なんだか面白そう、挑戦しがいがありそうだ」と子供っぽい事も思ったりしました。とてもざっくりですが、この仕事を選択したのはそういう理由です。
当時の当社の選考フローにはJavaのプログラミング試験がありましたが、集中して10日間ほど一気に勉強して突破し、無事、希望どおりに就職活動を終える事ができました。「想えば叶う」とまでは言えませんが、想えばある程度まで自分の体は動かす事ができると思っています。
体育会文系大学生からプログラマへのギアチェンジはそう難しいものではありません。素人ですから勉強と練習は毎日しますが、「キシモト」という器はそのまま使えます。触れるものがダンベルからキーボードに変わっただけなのです。

ゼネラリストかスペシャリストか

社会に出てから、色んな世代の方々とお話をする機会が増えました。その際に最もよく聞かれる質問は「数年後の自分はどうなっていたい?」というようなニュアンスのものです。
私はその度に「ゼネラリスト」と答えていました。
ゼネラリストとは広い範囲の知識や能力を持つ人の事です。
答えておきながらなんですが、実際はそうなりたいと思っていたわけではありません。「スペシャリスト」になる事への恐れがあるから、誤魔化す意味も含めてそう答えていました。
「スペシャリスト」とは、特定分野についての深い知識や優れた能力を持った人の事を指します。
一つの事に取り組み続ける難しさは理解しているつもりですが、まだまだ理解できない領域が広すぎるとも深すぎるとも思っています。エッジを効かせるのは難しい事なのです。一つのところに命を懸ければ、自分に最も合った武器を作る事ができますが、その反面で大きなリスクを背負う事になります。そんな葛藤の中で、自分の目指すモノを見つける事ができたなら、どれほど素晴らしい事だろうと思います。
資格を取ることにもチャレンジしました。短期間の勉強で取れる資格も多く、自分の成長が視覚化できる事から、学習に取り組みやすいのもメリットです。私も入社直後は資格の勉強に取り組み、業務関連の知識を身に付けました。
しかし、焦らないのも重要です。こうなりたいと思うものがあっても、そればかりを毎日10時間とか20時間とかやれば、きっと焦げ付いてしまいます。一度焦げ付いたら、そう簡単に剥がす事はできません。かといってぬるま湯に浸かっているのでは、いつまで経っても変化はありません。
ではどうすればいいのかという話になりますが、常に前を向いて、真摯に取り組み続ける事が重要だと思うようになりました。興味が続く限り、学習は続けられるものです。
「自分でどの道に進むか決断すれば、あとは興味が道を切り開いてくれる」というような事を常に心の片隅に置きながら、日々の仕事に取り組んでいます。
で、ゼネラリストかスペシャリスト、どちらを目指すかと問われれば、スペシャリストを目指したいと思っています。ですが、ドーンと180度舵を切るのは難しいかなと思っています。直線の勝負なら、先にスタートした人が有利なのは揺るぎませんから、私の場合はぐるっと回り道しながら寄り道しながら、風景を眺めながら切り換えていこうと思っています。

必要は発明の母

私は今、多店舗一元管理ツールの開発・改善に取り組んでいます。ECサイトを運営しているお客様の業務を支援するツールです。
お客様が支援を必要としているから、私たちはそのために開発に取り組みます。「必要」は発明だけではなく、色んな物事の母なのです。
また、今この瞬間に必要でなくても、取り組みたいと思う事はあります。
自動運転、人工知能、BI、ビッグデータなど、この業界にいれば興味が尽きる事はありません。
新しい価値を見つけ出したり、作り出したり、そういうような楽しい日々に身を任せる今日この頃です。
以上、体育会文系のプログラマの1年目でした。
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