社内マッサージルーム利用状況がパレートの法則にしたがっているかを検証する

Data Science

2018.9.26

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こんにちは。データサイエンスチームのtmtkです。
この記事では、弊社の福利厚生の一つであるマッサージルームの利用統計情報を利用し、パレートの法則にしたがっているかどうかを検証します。


社内マッサージルーム

はじめに

80:20の法則」や「パレートの法則」と呼ばれている法則があります。「原因の20%が結果の80%を生み出している」という内容で、たとえば「売り上げの80%は顧客のうち20%からもたらされている」や「全世界の所得の80%を人口の20%の富裕層が得ている」など、多くの現象が当てはまるようです。
私の所属するNHN テコラスでは福利厚生の一つとしてマッサージルームが設けられており、誰でも勤務時間中にマッサージを受けることができます。デスクワーク主体のIT企業ではうれしい福利厚生です。予約はいつもいっぱいになっており、数日前に予約しておかないと利用できないほど人気です。
マッサージルームの予約状況を眺めていたら、たくさん利用している社員とあまり利用していない社員がいることに気がつきました。そこで、社内マッサージルームの利用状況もパレートの法則にしたがっているのではないかと考え、検証してみることにしました。つまり、社員のうち20%が、マッサージルームの利用回数のうち80%を占有しているのかを検証してみます。

統計

今回の調査では、2018年の1月から6月の利用状況について調査することにしました。データによれば、2018年4月時点で虎ノ門オフィスで勤務するNHNグループの社員数は約840人です。
今回調査した結果、社員約840人のうち、半年間の間にマッサージルームを利用した社員は185人でした。残りの約650人は、マッサージルームを利用していません。つまり、福利厚生のマッサージルームは約22%の社員が100%(!)の利用を独占していることになります。これはパレートの法則よりもかなり強い偏りです。


(マッサージルームの利用回数別 社員数のヒストグラム)
「80:20の法則」が成り立たないことはわかりました。それでは、「いくつ対いくつの法則」が成り立っているのでしょうか?
累積相対度数をプロットし、直線x+y=1との交点を求めることにより、およそ「90:10の法則」が成り立っていることがわかります。もっと正確にいえば、「88:12の法則」が成り立っていることがわかります。すなわち、社員のたった12%が、マッサージルームの利用の88%を占めています


(マッサージルームの利用人数の累積相対度数のグラフと直線x+y=1のグラフ)
かくいう私自身もマッサージルームのヘビーユーザーであり、よく利用しています。全社員の上位4%に入る利用回数でした。


(私は上半期に14回利用していました)

おわりに

この記事では、社内マッサージルームの利用状況を統計的に分析し、パレートの法則があてはまっているかを確認しました。結果としては、パレートの法則が述べている「80:20」よりも大きな偏りがあり、少数の人がたくさん利用していることがわかりました。本結果をHR部門に共有した上で、今までに1度も利用したことのない従業員が “自ら利用したくなる”社内マッサージルームを目指した施策を社内にて検討していく予定です。
パレートの法則のいう「80:20」への当てはまりはやや悪いですが、実際に利用が偏っていることが確かめられました。みなさんも身の回りの現象からパレートの法則を探してみようとすると、面白い事実が見つけられるかもしれません。

参考文献

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tmtk

データ分析と機械学習とソフトウェア開発をしています。 アルゴリズムとデータ構造が好きです。

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